1991 Fiscal Year Annual Research Report
コヒ-レント光ファイバ通信用二段階位相ダイバ-シティ受信方式の研究
Project/Area Number |
02555063
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大越 孝敬 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (70010709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 明 東京大学, 先端科学技術研究センター, 講師 (70199115)
保立 和夫 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (60126159)
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Keywords | 二段階位相ダイバ-シティ方式 / コヒ-レント光ファイバ通信 / 波長分散 / 群遅延補償器 / マイクロストリップ線路 / 光ファイバ増幅器 / 光アイソレ-タ / 誘導ブリユアン散乱 |
Research Abstract |
光ファイバ増幅器を用いた超長距離光ファイバ伝送システムに二段階位相ダイバ-シティ方式を適用するための研究を行った。理論的検討の結果、本方式は、(1)バランス型受信、(2)群遅延補償、(3)超高速化、の3つが可能であるという点で、上記のようなシステムに非常に適した方式であることが結論された。また、光ファイバ増幅器自体の雑音特性の解析・測定を行ない、信号光と逆方向に伝搬する自然放出光が雑音特性の異常な振舞いを引き起こすこと等の知見が得られ、実験的にも確認された。これを抑制するには、光ファイバ増幅器の途中にアイソレ-タを挿入すればよいことが明らかになった。さらに、伝送システム全体のSN比が最大になるのは分布定数的な増幅を行なうシステムであり、これは低エルビウムド-プ光ファイバで実現できることを示した。 群遅延補償器の設計に関しては、マイクロストリップ線路の形状を最適化することにより、その分散特性をファイバの分散特性の逆特性とできる限り一致させ、形状の最適化を行わない場合に比べて分散の影響を1/1900にまで低減できる形状の合成に成功した。さらに、このストリップ線路の群遅延補償器としてのシュミレ-ションを行ない、最適化しない場合の伝送距離は4,000km程度なのに対して、最適化した場合には10,000km以上が可能であることを示した。 また、本方式の無中継伝送距離の制限要因となる誘導ブリユアン散乱を抑制する方法として、アイソレ-タを用いる方法を提案し、理論・実験の両面から研究を進めた。誘導ブリユアン散乱発生時には、自然ブリユアン散乱光雑音と光カオスにより、過剰な強度揺らぎが重畳することを実験的に確認した。 これらの二段階位相ダイバ-シティ方式に関する研究成果を中心に、学会誌等において発表する多くの機会を得た。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] S.Yamashita,T.Okoshi: "Double-stage phase-diversity(DSPD)scheme for coherent optical fiber communication-optical circuit imbalance and its compensation-" Electronics & communications in Japan. Vol.74. 50-61 (1991)
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[Publications] T.Okoshi: "Present status of optical fiber communications research:Increasing resemblance to modern radio communications" Opto-electronics:Devices and Technologies. Vol.6. 168-169 (1991)
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[Publications] 山下 真司,大越 孝敬: "光増幅器の分布定数的雑音理論とその光ファイバ増幅器への適用" 電子情報通信学会論文誌B-1. (1992)
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[Publications] 中川 潤一,大越 孝敬: "コヒ-レント光ファイバ通信における群遅延補償の精密化" 電子情報通信学会光通信システム研究会. OCS91-68. (1992)
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[Publications] A.Hirose,Y.Takushima,T.Okoshi: "Suppression of stimulated Brillouin scattering and Brillouin crosstalk by frequency-sweeping spread-spectrum scheme" J.Opt.Commun.Vol.12. 3-6 (1991)
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[Publications] C.-X.Shi,T.Okoshi: "Polarization coupling in single-mode single-polarization optical fibers with a broadbard light source" J.Opt.Soc.Am.,B. Vol.8. 2331-2337 (1991)
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[Publications] 大越 孝敬 廣瀬 明: "光通信の将来(大越・伊澤監修「光通信技術」第13章)" オ-ム社, 278 (1991)