1992 Fiscal Year Annual Research Report
新強弾性五酸化タンタル薄膜を用いた弾性表面波コンボルバ
Project/Area Number |
02555064
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Research Institution | Faculty of Engineering, Yamanashi University |
Principal Investigator |
中川 恭彦 山梨大学, 工学部, 教授 (50006277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 規弘 キャノン株式会社, 情報システム研究所, 研究員
鈴木 勇次 山梨大学, 工学部, 講師 (70179266)
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Keywords | 強弾性 / Ta_2O_5薄膜 / 弾性表面波 / コンボルバ |
Research Abstract |
本研究により得られた成果は次の通りである. 1.これまで知られていない弾性表面波導波路上の弾性表面波非線形効果を明らかにした.すなわち,導波路を小さな金属薄膜に置き替えて作成したドットアレーに弾性表面波を励起させると,非線形効果が強調され,2倍周波数の弾性表面波が発生し,入力周波数とドットの周期によって伝搬方向が制御可能であることを示した. 2.弾性表面波導波路上の伝搬特性に対する精密な解析に成功し,それに基づいて128゚YX・LiNbO_3基板上の弾性表面波非線形効果によるコンボリューション出力の発生効率を厳密に数値解析を行い,従来の実験値に合う結果を得た.この結果,弾性表面波コンボルバの設計(基板のカット,導波路形状)を可能になり,カット角を大きくすることで効率が約8dB改善されることを数値解析よって明らかにした. 3.弾性表面波導波路上の伝搬特性に対する精密な解析を基に,従来のタイプのエラスティックコンボルバにおける中央電極からの開放非線形電圧の理論解析に成功し,計算可能にした. 4.今後の研究課題 (1)コンボリューション出力に現れるバルク波にともなうスプリアウスの軽減. (2)入出力電極の外部回路との整合性と広帯域化を計る. (3)コンボルバの最適設計指針を確立する.
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[Publications] 中川 恭彦: "導波路上の弾性表面波非線形現象に対する理論解析" 電子情報通信学会誌(A). J76-A. 118-124 (1993)
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[Publications] 中川 恭彦: "ドットアレーからの弾性表面波第2次高調波発生" 電子情報通信学会超音波専門委員会資料. US92-5. 1-8 (1992)
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[Publications] 中川 恭彦: "導波路上のSAW非線形現象に対する理論解析" 日本音響学会研究発表会. 1-Q-5. (1992)