1990 Fiscal Year Annual Research Report
超高速TDMA移動通信用インサ-ビス多重波遅延時間測定器の試作研究
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02555066
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 進 京都大学, 工学部, 助教授 (50026324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 勉 京都大学, 工学部, 助手 (20154974)
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Keywords | ディジタル通信 / 移動通信 / 多重波フェ-ジング / 遅延分散 / ダイバ-シチ受信 |
Research Abstract |
本研究では超高速TDMA移動通信を対象として、情報伝送中のインサ-ビスで多重波遅延時間が極めて容易に測定可能で、かつその測定情報をフェ-ジング対策に利用可能な多重波遅延時間測定器に試作することを目標として理論的実験的検討を行い、以下のような研究成果を得た。 1.インサ-ビス多重波遅延時間推定法では多値変調方式に拡張する方法:(1)QPSK信号を2逓倍してBPSK信号に変換して従来法を適用する方法、(2)QPSK信号から受信デ-タを基にBPSK信号に相当する位相変化のみを取り出しBPSK信号として従来法を適用する方法、(3)直交検波器の出力同相成分と直交位相成分の絶対値の差を検出する方法について検討した。その結果、(1)の方法は帯域制限に非常に弱く実用的でないことが分かった。(2)の方法は(1)の方法に比べて帯域制限に強いが誤り率が大きく(10^<ー2>)なると、判定誤りのために測定結果の誤差が大きくなることが分かった。一方、(3)の方法はπ/4shift QPSK(時期ディジタル自動車電話に採用が見込まれる)にだけ適用できるが、帯域制限や誤差などの問題を(1)、(2)に比べて克服し易く最も実用的な方法であることが分かった。 2.そこで、上述の(3)の方式についてハ-ドウェアを試作し、種々の2波多重遅延波レイリ-フェ-ジング下で室内実験を行い、実験的に特性を検討した。その結果、理論的に予測された結果と良い一致を示す結果を得られた。また、試作回路はそのほとんどの部分をディジタル論理回路で構成できるため、調整部分が少なく、将来のIC化が容易と考えられる。 3.多重遅延波による伝送誤り率劣化の改善法として指向性ダイバ-シチ受信を用いるときの枝選択のアルゴリズムとして遅延分散測定結果を利用する方式を市街地実験結果を基に計算機シミュレ-ションにより検討した。その結果、従来の信号強度最大の枝を選択するよりも遅延分散測定値が最小となる枝を選ぶ方が誤り率の改善効果が大きいことが分かった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hong Zhou: "Selection Diversity Reception Based on CrossーChannelーInterference Measurement for Digital Mobile Radio" Transaction of Institute of Electronics,Information and Communication Engineers. E73. 658-664 (1990)
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[Publications] Susumu Yoshida: "High BitーRate Field Transmission of An AntiーMultipath Modulation Technique PSKーRZ" Proceedings of 40th Vehicular Technology Conference,Oralnd. 527-532 (1990)
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[Publications] Susumu Yoshida: "High BitーRate Wireless Data Transmission Experiment within a Building" Proceedings of International Conference on Communication Systems,Singapore,1990. 2. 839-843 (1990)
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[Publications] 吉田 進: "耐多重波変復調方式について" 電子情報通信学会論文誌. J73ーBーII. 668-674 (1990)
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[Publications] 趙 平珍: "A Simple Multipath Delay Time Detection Method for π/4 Shift QPSK in Digital Mobile/Portable Communications" 電子情報通信学会技術研究報告. 90. 15-20 (1990)
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[Publications] Susumu Yoshida: "On the Performance of Viterbi Equalizer in Multipath Fading Channel" Proceeding of 1990 International Symposium on Information Theory and its Applications,Hawaii. 627-630 (1990)