1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02555067
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
中川 聖一 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (20115893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜田 正宏 松下電器産業(株), 中央研究所, 研究員
坪香 英一 松下電器産業(株), 中央研究所, 室長
山本 幹雄 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (40210562)
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Keywords | 音声認識 / 音声理解 / 対話システム / 隠れマルコフモデル / 構文解析 / 対話モデル |
Research Abstract |
初期の計画通りに、音声理解システムとそれを発展させた音声による対話システムを試作することができた。本システムは、音声認識部、文対脈理解部、次発話決定部、音声生成部、次発話予測部、確認・明白化対話起動部から構成されている。音声認識部で音節単位のHMMと文脈自由文法に基づいて認識された音声は、文認識結果が文字列として文理解部に渡される。文理解部は、文節解析を行ない、次に係り受け解析を行なう。その結果得られた構文解析木から意味ネットワークに変換する。 文脈理解部は、入力文の意味ネットワーク表現に対し、文脈を利用して省略の補完ならびに代名詞を処理する。 次発話決定部は、対話ルールを使用して、次のシステム側の発話を決定する。ユーザの発話が質問文の場合は、新しい対話ルールを呼びだし、実行することが次発話の決定となる。また、平叙文の場合は、対話ルールスタックの一番上にある対話ルールを実行することにより予測的に解釈され、システムの次の発話を決定する。 次発話予測部は、システムの発話の決定に合せて、ユーザの次発話予測を行なう。予測情報は音声認識部にフィードバックされ、音声認識部は予測情報を用いることで、認識処理の効率化をはかる。 対話の進行中、各処理部において曖昧さ、または不確かさが発声した場合には、システムスタックに現在の処理内容をプッシュして記憶しておき、確認・明白化の対話に入る。確認・明白化の対話が終了すると、システムスタックをポップして、曖昧さが生じた処理部分に制御が戻る。 本システムを、約500語彙からなり富士山観光案内のタスクに適用し、6名のユーザによる評価実験で、一文当りの文認識率は約70〜80%であるが、確認・明白化等のあいまいさを解消する機構を導入することによって、対話がスムーズに続行することを確認した。
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[Publications] 中川 聖一: "固定長セグメントの統計量を用いたHMMによる音節認識" 電子情報通信学会論文誌. 75-DII. 843-851 (1992)
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[Publications] 山本 幹雄: "信念様相論理の効率的な部分系" 情報処理学会論文誌. 33. 1193-1202 (1992)
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[Publications] 山本 幹雄: "音声対話文における助詞落ち・倒置の分析と解析手法" 情報処理学会論文誌. 33. 1322-1330 (1992)
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[Publications] Mikio Yamamoto: "A Spokin dialog systim with verification and clarification queries" IEICE Trans.Inf & Syst.E76-D. 84-94 (1993)
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[Publications] 中川 聖一: "ニューラルネットワークによる確率密度関数・事後確率の推定と母音認識" 電子情報通信学会論文誌. 76-DII. (1993)
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[Publications] 中川 聖一: "ワードスポッティング法を用いた文脈自由文法制御フレーム同期型HMM連続音声認識法" 電子情報通信学会論文誌. 76-DII. (1993)
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[Publications] 中川 聖一: "情報理論の基礎と応用" 近代科学社, 239 (1992)