1990 Fiscal Year Annual Research Report
高輝度・超低電力・反射型カラ-液晶ディスプレイの開発
Project/Area Number |
02555076
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
内田 龍男 東北大学, 工学部, 教授 (60091659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 昌孝 シャープ株式会社, 液晶研究所, 部長
関 秀廣 八戸工業大学, 工学部, 助教授 (30134018)
福田 一郎 金沢工業大学, 工学部, 教授 (10064445)
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Keywords | 液晶 / ディスプレイ / ゲスト・ホスト効果 / 反射型表示 / カラ-ディスプレイ / 拡散反射 |
Research Abstract |
1.本研究の高輝度・低電力・反射型カラ-ディスプレイの実現の鍵は入射光の利用効率を極限まで高めることにある。この課題に対して各種の液晶セルについて高輝度光シャッタ-型表示としての最適条件を求めた。その結果、現在広く用いられてきたTN型の表示方式は明るさの点で問題があること、申請者らの提案による2層形ゲスト・ホストセルと相転移型ゲスト・ホストセルが明るく、コントラストも高いことを明らかにした。また、これらゲスト・ホスト型セルは視角依存性の点でも有利であることを示した。現在、駆動電圧を5V程度まで低下させ、より実用性の高い表示素子の実現を目指している。 2.加法混色型の液晶ディスプレイの表示特性を決定する重要な因子は着色層(カラ-フィルタ)であるが、そのスペクトルの設計原理を、各種の光源を想定して検討した。光源には赤、緑、青の主波長にピ-クをもち、それができるだけ単色に近いものが望ましいが、反射型の場合には一般に必ずしもそのような条件は満足されない。このような場合には、着色層が赤、緑、青の3色を分離できることが重要な条件であり、最明色分光分布に近いものほど色純度と明るさが向上し、望ましい特性が得られることを示した。また、着色層と光源のスペクトルを最適設計すれば、CRTと同等かそれ以上の表示も可能であることなどを明らかにした。 3.反射板の表面形状と反射光分布の関係を理論的に解析し、実験結果とよく対応することを確認した。現在、これに基づいて、反射光分布を最適化して明るいディスプレイを実現するための条件を検討している。なお、このようなディスプレイでは輝度が標準反射板より明るくなり従来の表色系が用いられなくなる。従って、新しい表色系を構築し、それに基づいて最適設計条件を明らかにすべく検討を行っている。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] Hidehiro Seki: "Tilted Homeotropic Alignment of LiquidーCrystal Molecules Using the Rubbing Method" Japanese Jouranl of Applied Physics. 29. L2236-L2238 (1990)
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[Publications] Hidehiro Seki: Molecular Crystals and Liquid Crystals.
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[Publications] Hidehiro Seki: "ElectroーOptical LiquidーCrystal Light Control Valve with Solar Battery" Proceedings of the Society for Information Display.
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[Publications] Ichiroh Fukuda: "Optimum Selection of Liquid Crystal Material in Achromatic Supertwisted Nematic LCD Using Birefringent Film" Proc.13th International Liquid Crystal Conference. II. 16 (1990)
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[Publications] 大久保 隆志: "複屈折フィルムを用いた無彩色化STNーLCDの最適化(1)複屈折フィルム1枚用いた場合" 日本物理学会・応用物理学会・北陸支部合同講演会講演予稿集. C15 (1990)
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[Publications] 大和 誠: "複屈折フィルムを用いた無彩色化STNーLCDの最適化(2)複屈折フィルム2枚用いた場合" 日本物理学会・応用物理学会・北陸支部合同講演会講演予稿集. C16 (1990)
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[Publications] 小谷勇 慶雄: "270°ねじれSTN(SBE)LCDの白黒表示特性" 日本物理学会・応用物理学会・北陸支部合同講演会講演予稿集. C19 (1990)
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[Publications] 伊藤 康尚: "視角依存性の少ない2層型ECBセルの基視的検討" 電気関係学会東北支部連合大会講演論文集. 65 (1990)
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[Publications] 伊藤 康尚: "視角依存性の少ない2層型EDBセル" 第51回応用物理学学術講演会講演予稿集. 792 (1990)
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[Publications] Hidehiro Seki: "Tilted Homeotropic Alignment of liquidーCrystal Molecules Using Rubbing Method" Proceedings of the 13th International Liquid Crystal Conference. II. 13 (1990)
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[Publications] 関 秀廣: "ラビング法を用いた液晶分子の傾斜垂直配向" 第16回液晶討論会講演予稿集. 98-99 (1990)
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[Publications] 関 秀廣: "摩擦固体表面における液晶の分子配列向に関する基礎的研究" 八戸工業大学紀要. 10. 101-106 (1991)