1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02555081
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田村 進一 大阪大学, 医学部, 教授 (30029540)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 明 東芝, ULSI研究所, 研究主務
|
Keywords | 顕微鏡 / 圧電アクチュエ-タ / 静電容量 / 機械走査 |
Research Abstract |
容量変化として容量そのものをとらえる従来の直接法に対して,探針ー資料表面間の距離を振動により微小に変化させたときの容量変化をとらえる微分容量法を開発した.探針ー資料表面間の距離を微小に変化させる方法として,針位置は固定して資料載台を圧電アクチュエ-タで駆動するステ-ジ駆動方式とステ-ジ位置は固定し,針を微小に振動させる針駆動方式を開発した.後者ではさらに針駆動系としてVHD駆動系,すなわち自由に動く探針を駆動コイルに流した電流により微小振動させるVHD方式と,圧電アクチュエ-タで針を直接微小振動する圧電アクチュエ-タ方式を開発作成した.微小振動源としては針の固有振動(180Hz)に近い160Hzを用いた.探針はVHD針を用いた.検出方式としては,当初同期検出方式を用いていたが,位相の変動が問題となることから,包絡線検波方式を用いた.これらの回路系は完成している.作成した駆動系は以下の通りである. (1)まず,駆動系としてVHD針駆動系を用いた.これを用いたときには左右走査時のバックラッシュが観測された.また同一走査方向時でも時間的な位置ずれが観測された.これはVHD駆動系が機械的微小走査用に設計されていないためと思われる.そこで,つぎに述べる圧電アクチュエ-タによる針駆動系を製作した. (2)XYZ方向に配置した圧電アクチュエ-タに直接針を付け,それで資料上を走査する. (3)資料ステ-ジをXYZ方向に配置した圧電アクチュエ-タで駆動する.針のほうは空間的に固定しておく. これらの方式の比較実験はまだ行っていないが,直接容量検出法のときのデ-タでは,ステ-ジ駆動よりも針駆動の方が駆動物のサイズが小さくでき,安定であった.おそらく,微分容量方式においても同様であろうと思われる.この差異の実験的検討を行った後,その走査方式の駆動系を装置に組み込む予定である.
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 田村 進一: "走査型容量顕微鏡" 応用物理. 59. 195-196 (1990)
-
[Publications] 金 應珪: "微分容量方式走査型顕微鏡とVHD針駆動系の再現性" 電子情報通信学会秋季全国大会. 6-244 (1990)
-
[Publications] 金 應珪: "ステ-ジ駆動および針駆動微分容量方式走査型顕微鏡" 電子情報通信学会秋季全国大会. (1991)