1990 Fiscal Year Annual Research Report
部材の靭性を考慮したRC構造物の動的応答解析プログラムの開発
Project/Area Number |
02555103
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
睦好 宏史 埼玉大学, 工学部, 助教授 (60134334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 基行 東北大学, 工学部, 助教授 (60124591)
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Keywords | ラ-メン橋脚 / 材端弾塑性バネモデル / 弾塑性応答解析 |
Research Abstract |
本研究は、鉄筋コンクリ-ト(RC)多層ラ-メン高架橋が地震動を受ける場合の弾塑性応答性状を詳細に解明するために、1)各構成部材の終局限界状態、すなわち靭性を復元力モデルに取り入れ、構造物全体および各構成部材の崩壊に至るまでの応答性状を計算できる動的応答解析プログラムを開発し、2)これを用いて、RC多層構造物の動的耐震性の評価、および各部材の靭性を考慮した合理的な限界状態耐震設計法を確立することを目的としたものである。今年度の成果は以下に示すものである。 1.過去におけるRC柱およびはりの靭性に関する研究成果をもとにして、靭性能評価式を作成した。 2.材端弾塑性バネモデルあるいは離散型弾塑性バネモデルを用いて、各構成部材のバネモデルを構築した。 3.RC柱部材に対しては剛性劣化型、はり部材に対してはスリップ型復元力モデルを適用し、これに部材の靭性能を取り込んだ復元力モデルを作成した。 4.各部材の瞬間剛性マトリックスから、RC立体構造物の瞬間水平剛性マトリックスを作成し、各ステップごとに各部材の復元力一変形関係を用いて、全体の応答を求める手法を開発した。 5.上記手法を、多層構造物に対して適用できるように、大型計算機を用いてプログラミング化を行った。 6.2層ラ-メン構造物を対象として、各部材の靭性率の大きさが構造物全体の靭性能に及ぼす影響を応答解析による数値実験により解明した。その結果、構造物全体が必要とする靭性を得るための、中層梁の靭性率の大きさが定量的に定められることを明らかにした。今後は、大型供試体を用いた仮動的実験を行い、解析結果と比較して、解析モデルを適宜修正して、精度の高いモデルを確立していくつもりである。
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Research Products
(1 results)