1991 Fiscal Year Annual Research Report
高負圧型テンシオメ-タ-による地盤サクションの長期測定と安定予測
Project/Area Number |
02555112
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
軽部 大蔵 神戸大学, 工学部, 教授 (70031078)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南部 光広 応用地質(株), 砂防斜面防災部, 次長
藤原 照幸 神戸大学, 工学部, 教務職員
田中 泰雄 神戸大学, 工学部, 講師 (40144597)
|
Keywords | サクション / テンシオメ-タ- / 斜面安定予測 / 不飽和地盤 |
Research Abstract |
本研究の当初の計画は,(1)高負圧型テンシオメ-タ-の試作,(2)その性能試験,(3)現地での地盤サクションの長期測定,(4)前項をデ-タ-とする異常気象時における斜面安定予測法の確立(プログラム開発),であった。2ヶ年が経過しようとしている現況を概観すると,(1)は地中埋設体のバルブ以外は所期の目的を達した。(2)は終了したが,前項のバルブを改良すれば再開することになる。(3)は,種々の理由で途切れ勝ちである。(4)は,その根拠となる理論の一部を改良する必要があることが判った。以下に,各項に関する平成3年度における実績を述べる。 1)高負圧型テンシオメ-タ-:地上本体と地下埋設体より成る。本体は,しょい子にとり付けて実用性に優れている。しかし,地中埋設体は地上からの遠隔操作時に,バルブの作動が不確実で,内部水量の変化を引き起したり,また長期静置時に空気の侵入を許している疑いがある。今年度後半は,この改良方法を研究した。 2)性能試験:土槽内のサクションを制御する方法を確立した。これによって,バルブの問題点が判明した。 3)現地測定:地中埋設体のバルブの問題のほかに,埋設体から地上に出している2本のシンフレックス管と,電線の端部を保護収納する方法が確立していない。現在は,臨時の処置として,既製の木箱を地表から半分埋め込んで,その中に収納しているが,測定時の本体との接続に手間がかかり,また,放置期間中のいたずらに無防備である。システム全体の製品化という観点からは,最も遅れている。 4)斜面安定予測法の開発:その理論的根拠の一つである「土の全応力〜サクション〜含れ比〜ひずみ関係式に,従来の軽部の提案式を用いると,飽和度が100%から低下し始める過程を全面的には説明できないことが判明した。この改良は本研究の主題ではないが,避けて通れない。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 軽部 大蔵: "せん新2(粘性土)の展望" 土と基礎. 39. 9-11 (1991)
-
[Publications] 軽部 大蔵: "信楽粘土による不飽和供試体へのサクションの影響について" 第26回土質工学研究発表会発表講演集. 1. 651-652 (1991)
-
[Publications] 軽部 大蔵: "洪積層粘土の二次圧密特性について" 土木学会第46回年次学術講演会講演概要集. 第3部. 362-363 (1991)
-
[Publications] 加藤 正司: "締固めたカオリン粘土の変形強度特性について" 第27回土質工学研究発表会発表講演集. 1. (1992)
-
[Publications] 加藤 卓彦: "サクションを制御した膨張性土の一次元圧縮・膨張試験" 第27回土質工学研究発表会発表講演集. 1. (1992)