Research Abstract |
衛星および地上からのマイクロ波リモ-トセンシングによって,降雪量の定量観測を行う場合,降雪粒子の,(1)粒径分布,(2)粒形,(3)含水率,(4)誘電率,(5)落下速度,(6)密度,の鉛直プロファイルを明らかにする必要がある.本研究では,地域および気象条件によって変化する降雪粒子の(1)〜(6)の鉛直分布特性を計測するために,2重偏波・高空間分解能を有するミリ波レ-ダ-を開発し,既存のXバンドの鉛直ドップラ-レ-ダ,ビデオ撮影による地上降雪粒子観測システム,画像処理技術とを組み合わせた降雪リモ-トセンシング検証システムを構成した. 1)特殊レ-ダ-の調整:平成2年度に作製した35GHz,高分解能(15m),観測範囲3km程度のレ-ダフロントエンドに,水平・垂直・円偏波観測機能,ディジタイジングオシロスコ-プとマイクロコンピュ-タによるデ-タ処理および記録機能,屋外での移動観測機能を開発・付加し,平成3年12月中旬の予備実験で降雪の多偏波観測を実現した.さらに,フィルタ-・アンプ・ディテクタ-を設計し,定量観測外能を向上したが,平成4年1月中旬より受信側ロ-カルオシレ-タ-(ガン発信器)の機能低下により受信感度が徐々に悪化し,1月30日には観測不能になった,ロ-カルオシレ-タ-は現在米国Huge社にて修理中であり,降雪期間中の本年度実験は不能となった. 2)地上降雪粒子観測観測:長岡技術科学大学屋上において降雪粒子の粒径分布,形状(水平方向),落下速度を計測できるビデオ観測,電子天秤による降雪強度,降雪粒子の雲粒付着量・雪片構成要素の直接観察,気象観測を組み合わせて,降雪粒子の物理特性を総合的に計測した. 3)鉛直ドップラ-レ-ダ観測:Xバンド鉛直ドップラ-レ-ダと2)の観測結果を組み合わせて,降雪粒子の後方散乱特性のモデル化と降雪雲の降雪粒子形成過程を対流性・層状性雲について明らかにした.
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