1992 Fiscal Year Annual Research Report
洪水制御支援のための分散協調型エキスパートシステムの開発
Project/Area Number |
02555118
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
高棹 琢馬 京都大学, 工学部, 教授 (30025895)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 智晴 京都大学, 工学部, 助手 (20190225)
椎葉 充晴 京都大学, 工学部, 助教授 (90026352)
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Keywords | 洪水 / 貯水池操作 / 人工知能 / エキスパートシステム / ファジイ理論 / 洪水調節 / 治水ダム / 意思決定 |
Research Abstract |
本年度は,知識ベースに基づく貯水池操作の支援という手法が直面している問題,すなわち,プロトタイプとして作成された洪水制御支援システムをいかに成長させていくかべきかという問題について考察した. 以下,本研究で得られた成果をまとめておく. 1.現在までに提案された洪水制御支援知識ベースシステムを知識の獲得及び構成法といった観点から分析することを通じて,今後,これらシステムを成長させ実用的なシステムにしていく際には, a.現時点での実務者の知識を格納しているだけではなく,降雨予測や流出量予測といった新しい技術やシステムを利用するための知識を容易に格納することのできる環境を持っていること, b.知識を構成する論理が理解しやすい構造であること, c.各ダムの操作規則の遵守を保証する知識構成であること, が必要であることを示した. 2.上記条件を満足するとともに,新しい情報に基づく知識を導入した際に問題となる既存知識との整合性を解決する枠組みとして多段階知識ベース構成法を提案した. 3.多段階知識構成法に基づく推論システムの実現に不可欠な要素として議長型システム・メタ知識システムを設計するとともに,これらを用いてメタ知識システムを頂点とする知識システム群内での協調推論,および知識システム群間の協調推論を実現する環境を構築した. 4.洪水制御支援システムを構成する推論システム・データ管理システム・手続き型知識システムそれぞれの処理負荷を軽減させるとともに現場での計算機構成にも対応するため,これら各システムを異なる計算機上で稼働させローカルエリアネットワークを通じた情報交換が行える環境を実現した.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Takuma TAKASAO: "A Flood Control Support Environment Based on Cooperating Knowledge-Based Systems" Journal of Hydroscience and Hydraulic Engineering,JSCE. 9. 81-90 (1992)
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[Publications] 高棹 琢馬: "洪水制御支援のための知識構成と獲得法に関する一考察" 水文・水資源研究のための人工技術の利用に関するシンポジウム論文集,水文・水資源学会. 25-32 (1992)
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[Publications] 高棹 琢馬: "多段階知識構成法を用いた協調問題解決型洪水制御支援システムの構築" 平成5年度土木学会関西支部年次学術講演会概要集(発表予定). (1993)
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[Publications] 高棹 琢馬: "ダム操作支援における知識獲得と知識ベース設計手法に関する一考察" 土木学会第47回年次学術講演会講演概要集第2部. 504-505 (1992)
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[Publications] 高棹 琢馬: "ダム操作支援における洪水ピーク判定のための知識ベース設計に関する一考察" 平成4年度土木学会関西支部年次学術講演会概要集. II-17-1-II-17-2 (1992)