1990 Fiscal Year Annual Research Report
ゾル-ゲル法による透明導電性酸化物薄膜の作製に関する研究
Project/Area Number |
02555158
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小平 紘平 北海道大学, 工学部, 教授 (60002002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古崎 毅 北海道大学, 工学部, 助手 (90190149)
樋口 幹雄 北海道大学, 工学部, 助手 (40198990)
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Keywords | 透明導電性酸化物薄膜 / 酸化スズ / ITO膜 / ゾル-ゲル法 / ガスセンサ- |
Research Abstract |
酸化インジウムにスズを少量添加した薄膜および酸性スズにアンチモンを少量添加した薄膜は透明導電性薄膜として重要な材料である。本研究では、ゾル-ゲル法による酸化スズ薄膜を作製し、その電気的・光学的特性について検討した。 スズとアンチモンの無機塩の共沈により得られた水酸化物微粒子のゾルを基板に塗布し、乾燥するとゲル状の膜となる。これを焼成すると、可視光領域においおて90%以上の透過率を有する薄膜となった。その薄膜は数十nmの微粒子からなっており、クラックのない平滑かつ緻密な表面を有していた。薄膜の膜厚は一回の塗布ー焼成で最大140nmであった。 薄膜は焼成温度の上昇とともに結晶性の向上が認められた。また、400℃以上での焼成により塩素および炭素が薄膜中よりほぼ取り除かれていることが判明した。ゲル膜は、温度の上昇とともに徐々に膜中のOH基を脱離するとともにSnーOーSn結合を形成、アモルファス膜となり、さらに結晶化が進行してSnO_2薄膜が生成するものと思われる。 薄膜の比抵抗は、焼成温度の上昇にともなって比抵抗は減少し、800℃以上で4×10^<-3>Ωcmとなった。また、薄膜の比抵抗は、Sbの添加により急激に減少し、約6wt%Sbで最小値4×10^<-3>Ωcmとなった。 以上のことから、ゾル-ゲル法により基板に強固に付着し、導電性および透光性に優れたSnO_2薄膜が作製できることが判明した。これらの結果をもとに還元性ガスに対するセンサ-特性について検討を加えていく予定である。
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