1991 Fiscal Year Annual Research Report
無機-有機複合ゾル-ゲル系の相分離過程を利用した秩序構造体の開発
Project/Area Number |
02555161
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
曽我 直弘 京都大学, 工学部, 教授 (80026179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河口 年安 旭硝子(株), ニューガラス開発研究所, 主席研究員
井上 正志 京都大学, 化学研究所, 助手 (80201937)
根本 紀夫 京都大学, 化学研究所, 助教授 (90027053)
中西 和樹 京都大学, 工学部, 助手 (00188989)
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Keywords | ゾル-ゲル法 / ケイ素アルコキシド / 有機高分子 / スピノ-ダル分解 / 光散乱法 / 溶媒置換 / 窒素吸着法 |
Research Abstract |
ポリアクリル酸を始めとする、水溶性有機高分子の共存下におけるケイ素アルコキシドの加水分解・重合によって、マイクロメ-タ-領域の絡み合い構造を持った多孔質ゲルを得る方法について、以上の知見を得た。(1)ケイ素アルコキシドの加水分解は強酸性条件下で行うことが望ましいが、重合反応については、弱酸性条件でも同等な構造のゲルを作製することができる。ポリアクリル酸のエステル化があまり起こらない弱酸性条件下では、高分子の溶解度の変化を反映して、構造サイズの溶媒濃度依存性が、強酸性条件の場合とは異なる。(2)水、アルコ-ル以外の溶媒を共存させた場合には、共存高分子の溶解度を上げ、しかも重合反応を加速する効果を持つものによって、最も顕著に構造サイズが細かくなることが明らかになった。(3)X線小角散乱法によって高分子共存下におけるシリカ重合体の成長挙動を追跡したところ、一般に高分子が共存することによって、重合度の指標となる慣性半径の値は、短時間のうちに非常に大きい値をとることが明らかになった。また、固定されたゲル構造中に、マイクロメ-タ-領域のシリカ粒子が含まれる場合には、それらが重合過程の比較的初期に、核生成・成長機構によって生成している可能性が示された。(4)マイクロメ-タ-領域の絡み合い構造を持つゲルは、湿潤状態での溶媒置換処理によってナノメ-タ-領域の細孔容積および細孔径分布を変化させることができた。熱処理に伴う細孔消失挙動は、等速加熱過程での収縮挙動と良く一致した。このことから、比較的体積の大きいバルク体を作製するためには、湿潤ゲルを強酸水溶液で処理し、ナノメ-タ-領域の平均細孔径を大きくすることが有利であることが示された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kazuki Nakanishi: "Phase separation in gelling silica-organic polumer solution: Systems containing poly(sodium styrenesulfonate)" Journal of American Ceramic Society. 74. 2518-2530 (1991)
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[Publications] Kazuki Nakanishi: "Pore surface characteristics of macroporous silica gels prepared from polymer-containing solution" Journal of Non-Crystalline Solids. 134. 39-46 (1991)
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[Publications] Norio Nemoto: "Diffusion of a dye-labeled cetyldimethylamine incorporated in rodlike micelles of cetyltrimethylammonium bromide in aqueous sodium salicylate solutions" Langmuir. 7. 2607-2613 (1991)
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[Publications] Tadashi Inoue: "Birefringence of amorphous polymers.l.Dynamic measurement of polystyrene" Macromolecules. 24. 5670-5675 (1991)
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[Publications] Kazuki Nakanishi: "Phase separation in silica sol-gel system containing polyacrylic acid I.Gel formation behavior and effect of solvent composition" Jounal of Non-Crystalline Solids. 139. 1-13 (1992)
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[Publications] Kazuki Nakanishi: "Phase separation in silica sol-gel system containing polyacrylic acid II.Effects of molecular weight and temperature" Journal of Non-Crystalline Solids. 139. 14-24 (1992)