1990 Fiscal Year Annual Research Report
無機ー有機ナノハイブリッド型固体電解質の開発と性能
Project/Area Number |
02555164
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山中 昭司 広島大学, 工学部, 助教授 (90081314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 正夫 広島大学, 工学部, 助手 (80160597)
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Keywords | ナノハイブリッド / 固体電解質 / リチウムイオン伝導 / 層間化合物 / リン酸ジルコニウム |
Research Abstract |
分子レベルでの無機ー有機ハイブリッド(ナノハイブリッド)化を利用した新しい固体電解質の開発を目的として、リン酸ジルコニウム層状結晶をホストマトリックスに用いて、その層間表面の有機化学修飾を行ない、リチウム塩の層間へのナノハイブリッド化とイオン伝導度測定、イオン伝導機構を検討した。 リン酸ジルコニウムZr(HPO_4)_2の結晶層間表面のリン酸水素基にエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドなどのエポキシ化合物を直接反応させる方法、およびリン酸水素基とリン酸エステル基との直接イオン交換反応による方法を用いて、エ-テル基を有する有機鎖を層間表面にグラフトした無機ー有機誘導体を合成した。この誘導体とLiClO_4などのリチウム塩を固相ー固相で反応させナノハイブリッド化を試みた。その結果、有機鎖で化学修飾したリン酸ジルコニウム層間には広い組成域にわたってLiClO_4がインタ-カレ-ションし、その層間距離は連続的に拡大することを見い出した。固溶体はLiClO_4に比較して高いイオン伝導度を示し、直流・交流イオン伝導度の温度依存性はArrhenius式によく適合した。固溶体に含まれるClO4ーイオンの全対称伸縮振動をレ-ザ-ラマン分光光度計により測定し、ラマンシフト値からLiClO_4は溶液系におけるのと同様に、分離したイオン対として層間に固溶することを明らかにした。 引き続き、層間化学修飾による高イオン伝導体の開発と、イオン伝導度の低分子膨潤効果、および新型固体電解質を用いるリチウム二次電池の試作を行なう。
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