1990 Fiscal Year Annual Research Report
高品質複合LB膜を全自動的に累積する実用装置の開発研究
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02555167
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
加藤 貞二 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (60008068)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若菜 辰之 システムマネージメーションK. K., プログラマー
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Keywords | 不溶性単分子膜 / 新型Langmuir水槽 / 等圧熱処理 / LB膜 / 高品質LB膜 / 複合LB膜 |
Research Abstract |
LB膜は水面上の不溶性単分子を固体基板上に移行させて累積される。水面上の不溶性単分子膜はLB膜の素材であり、欠陥のない高品質のLB膜を得るためにはまず高品質の単分子膜を用意しなければならない。そのために我々は、単分子膜の等圧熱処理技術というものを提案した(論文2およびそれ以前の3つの論文)。これは要するに、単分子膜の圧を一定に保ったまま温度を上げ、膜中の分子運動の緩和を促進し、膜中の欠陥を減少させる技術であるが、実際にこれを行おうとすると、言葉で説明するほど簡単ではない。そのためには温度制御が容易で使い易い、特製のLangmuir水槽の開発が必要であった。この報告の研究課題は「高品質複合LB膜を全自動的に累積する実用装置の開発研究」であるが、本装置は全体の開発はまだ終了しておらず、したがってその装置を用いた成果の学会報告はまだできていない。しかし上記の、温度制御の容易なLangmuir水槽は、大量のペルチエ素子を用いた電子冷熱方式によって高性能なものが、平成2年度中に既に開発できた(論文7)。この水槽の温度はマイコン制御になっており、純電子式に行われるため、従来の循環水の温度を制御する方式にくらべ、(1)振動が入らない、(2)非常に高速に正確に温度変化ができる、など大きな特長を有し、課題研究装置の重要な構成部分になる。 なお、課題研究に関連する単分子膜の物性に関する重要な研究(論文1、4、5、6)、および累積膜の累積過程に関する基礎的で重要な研究(論文2)も順調に進行しており、成果の報告もできた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] T.Kato: "What is the Characteristic Time of Measurement of πーA Isotherms?" Langmuir. 6. 870-872 (1990)
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[Publications] 加藤 貞二、成瀬 俊道: "LB膜累積中の分子反転境界の可視化と累積中の分子脱離の可視化" 日本化学会誌. 1990. 1117-1120 (1990)
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[Publications] T.Kato and K.Ohshima: "DefectーFree LB Fims by the Isobaric Thermal Treatment of Monolayers." Jpn.J.Appl.Phys.29. L2102-L2104 (1990)
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[Publications] T.Kato,K.Seki and R.Kaneko: "Insoluble Monolayers of Irisresorcinol at the Air/Water Interface." Colloid &Polymer Sci.,. 268. 934-937 (1990)
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[Publications] K.Iriyama,T.Araki and T.Kato: "Electron Microscopic Visualization of Numerous TwoーDimensional CrystalーLike Domains in a Monolayer on an Aqueous Solution." Membrane. 16. 43-47 (1990)
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[Publications] T.Kato,Y.Hirobe and M.Kato: "The"Time of Observation"of Measurements of πーA Isotherms.II" Langmuir. (1991)
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[Publications] 加藤 貞二,秋山 秀行: "自在に温度制御できるLangmuir水槽の開発とミリスチン酸単分子膜のAーT等圧線測定" 日本化学会誌. (1991)