1990 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属触媒によるオレフィンからビニルシラン類の一段合成法の確立
Project/Area Number |
02555175
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村井 真二 大阪大学, 工学部, 教授 (00029050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大江 浩一 大阪大学, 工学部, 助手 (90213636)
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Keywords | オレフィン / ビニルシラン / 触媒 / 遷移金属 / ヒドロシラン |
Research Abstract |
ビニルシラン類は、各種機能材料の原料、シランカップリング材、単独重合および共重合モノマ-などとして、多彩な用途を有する化合物である。現在、工業的に行われているビニルシラン類の製造法は、アセチレンを原料としこれに対しヒトロシラン類を付加させる反応にもとずいている。この方法は、無置換アセチレンとトリクロロシランとの組合わせ以外には、反応性と経済性の面で実用性に欠けるという問題を有している。本研究は、当グル-プで創出したオレフィニ類を原料とする新反応を用いて、きわめて効率の高いビニルシラン類の新製造法を確立することを目的とした。 目的とする反応に適合する反応基質、オレフィン、の検索を行なった。その結果、オレフィンの構造と触媒の種類に反応が大きく依存することがわかった。例えば、スチレンではルテニウム触媒が効果的であり、アクリル酸エステルではコバルト触媒、1.5ーヘキサジエンではロジウム触媒が有効であることを見い出した。ルテニウム系触媒について種々の配位子の検討を行ない、反応機構解明のための知見を集積した。ロジウム系触媒を用い、種々の非共役ジエン類について目的とするビニルシラン合成の可否を検討した。そして、オレフィンの位置がひじょうに重要であることを見い出した。例えば、1,3ーあるいは1,4ー,1,6ージエン類では、複雑な結果を与えたが、1,5ージエン類は高収率で対応するビニルシランを与えた。 まとめると、オレフィンと触媒の組合わせか効率的なビニルシラン合成には重要であることがわかった。そして、2,3の系でビニルシランの実用的合成法の確立のめどがついた。
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