1990 Fiscal Year Annual Research Report
高度な不斉識別機能を有する光学活性ビアリ-ル化合物の開発と応用
Project/Area Number |
02555177
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮野 壮太郎 東北大学, 工学部, 教授 (60005501)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 篤子 東北大学, 工学部, 助手 (60204020)
小宮 克夫 東ソー(株), 科学計測事業部・ゲル開発課, 課長
安原 富士子 仙台電波工業高等専門学校, 教授 (10005788)
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Keywords | 高速液体クロマトグラフィ- / 不斉固定相 / 軸不斉ビナフチル / 1,1'ビナフチルー2ーカルボン酸 / 光学分割 / 光学異性体 / 不斉識別 / 不斉カラム |
Research Abstract |
軸不斉ビナフチル誘導体を不斉識別素子とする高速液体クロマトグラフィ-用の高性能不斉固定相の開拓を目的とし、本年度の研究実施計画に従って研究を行い、以下の成果を得た。 1.軸不斉2'ー置換1,1'ービナフチルー2ーカルボン酸の合成に関しては、1ーメントキシー2ーナフトエ酸エステルと1ーナフチルグリニヤ-ル試薬類との反応で、高収率、かつ高光学収率でビナフチル類が得られることを見い出した。とくに、2'ーメトキシー1,1'ービナフチルー2ーカルボン酸は光学純度ほぼ100%を達成することができた。本反応は軸不斉ビナフチルー2ーカルボン酸類を数十gスケ-ルで調製する最も簡便な方法である。 2.2'ー位に種々の置換基を有する軸不斉1,1'ービナフチルー2ーカルボン酸を、3ーアミノプロピルシラン、または11ーアミノウンデシルシランで修飾したシリカと縮合して、アミド結合型不斉シリカゲルを15種類調製し、スラリ-法によりステンレス製カラムに充填し、不斉固定相を得た。 3.上記2で得た不斉固定相により、種々の光学異性体の分離を試みた。主なる結果は以下のようである。(1)軸不斉2'ー置換1,1'ービナフチルー2ーカルボン酸類は、種々の光学異性体を分離する能力がある。特に、アルコ-ル、アミン、アミノ酸類の3,5ージニトロフェニル誘導体や、軸不斉ビナフチル類を非常によく分離できる。(2)2'ー位にプロトン性水素を有する置換基を持つビナフチル類が性能がよい。(3)これらの知見に基づいて、π〜π相互作用、双極子〜双極子相互作用、水素結合を主体とする不斉識別モデルを提案した。現在、このモデルに基づいて更に性能のよい不斉固定相の開拓を検討している。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Shuichi O^^ーI: "HPLC Separation of Enantiomerers on a Chiral Stationary Phase Containing 1,1'ーBianthraceneー2,2'ーdicarboxylic Acid Bonded to silica Gel" Chemisty Letters. 59-62 (1990)
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[Publications] Hiroki HOTTA: "Facile Synthesis of 1,1'ーBinaphthylー2ーcarboxylates via Nucleophilic Aromatic Substitution of 1ーMethoxyー2ーnaphthoic Esters by 1ーNaphthyl Grignard Reagents" Chemistry Letters. 143-144 (1990)
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[Publications] Takatsugu SUZUKI: "An Efficient Asymmetric Synthesis of Atropisomeric 1,1'ーBinaphthyls via Nucleophilic Aromatic Substitution Reaction" Chemistry Letters. 807-810 (1990)
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[Publications] Shuichi O^^ーI: "Efficient Chiral Stationary Phases Comprised of Axially chiral 1,1'ーBinaphthylー2ーcarboxylic acids Bonded to 3ーAminopropylーsilanized Silica" J.Chromatogr.