1991 Fiscal Year Annual Research Report
ペルフルオロ三置換オレフィンの機能性材料への変換と利用
Project/Area Number |
02555178
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
池田 功 大阪大学, 工学部, 教授 (70029049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根本 藤人 株式会社ネオス, 中央研究所, 所長
黒沢 英夫 大阪大学, 工学部, 助教授 (40029343)
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Keywords | ペルフルオロ三置換オレフィン / ペルフルオロ-2-メチル-2-ペンテン / 含フッ素複素環化合物 / 4-フッ化ピリミジン / ペルフルオロアルキル置換ピリミジン / 第三級ペルフルオロアルキルメチルオキシ化 |
Research Abstract |
含フッ素化合物は付加価値の高い有機材料として各方面で活用されているが、新規化合物の合成、用途の開発、並びに物性の解明の為の研究は近年ますます活発になっている。多岐にわたる用途の内の最も重要なものの一つは、ペルフルオロ基を含む化合物の表面エネルギ-が低く、極めて低い界面張力を示すことから、固体あるいは液体の表面改質に利用することである。本研究では工業的に製造されているにもかかわらず未だ利用価値の低いペルフルオロプロピレンの二量化物について、含フッ素複素環式化合物の合成及び表面改質剤への利用のための検討を行った。その結果、2位に種々の置換基を持った6員環複素環化合物であるピリミジンが収率よく生成することを認めた。また、この化合物は芳香族化合物であるにもかかわらず、環上の2個のペルフルオロアルキル置換基の電子的影響によって4位のフルオロ基が容易に求核置換反応を受ける結果、4位にも種々の置換基を導入することが可能であると云う特異な反応性を示すことを明らかにした。ペルフルオロ化合物を表面改質剤に用いるとき、その剛直性の故にそのままでは十分な性能を発揮し難く、柔軟性を付与するためにスペ-サ-を導入するのが一般的であるが、本研究の結果、柔軟な基であるオキシメチレン基を介して第三級ペルフルオロアルキル基と、化学的あるいは物理的に活性な原子団を結合する方法を開発することが出来た。すなわちジメチルホルムアミド中、フッ化カリウム存在下、ペルフルオロ-2-メチル-2-ペンテンは各種のクロロメチルエ-テルと反応し、第三級ペルフルオロアルキルメチルオキシ化合物を与えることが明かとなった。なお、本反応の工業的な重要性は、この原子団には、アルキル、アリル、アリ-ル、アラルキル、ハロアルキル、あるいはエ-テル基が含まれることにあって、種々の表面改質剤への誘導が可能かつ容易であることである。
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[Publications] 池田 功: "Synthesis of 2-substituted-4-fluoro-5,6-diperufluoroalky1-pyrimidines and their reactivity" Journal of Fluorine Chemistry.
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[Publications] 池田 功: "Perfluoroalkylation of chloromethyl ethers using perfluoro-2-methyl-2-pentene with potassium fluoride-DMF" Journal of Fluorine Chemistry.