1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02555191
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
斎藤 正三郎 東北大学, 工学部, 教授 (00005224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片桐 英一 チッソ(株), 開発室, 主席研究員
猪股 宏 東北大学, 工学部, 講師 (10168479)
今野 幹男 東北大学, 工学部, 助教授 (40125547)
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Keywords | アルコキシド / 単分散粒子 / Population Balance法 / 超微粒子 |
Research Abstract |
本研究は、金属アルコキシド法における反応工学的題を解決し、単分散無機微粒子の生成条件を明らかにすることを目的としている。本年度はSi(OEt)_4(TEOS)/H_2O/NH_3/EtOH系において、主としてSiO_2粒子数に対する諸因子の影響を調べた。その結果重合中粒子数は不変であることより本系では核数は初期に決定し、その後のTEOSの消費は全て粒成長に使われることがわかった。また粒子数は水濃度及びアンモニア濃度の増加に伴い減少した。前者はシリカ粒子の溶解度が増加するため、後者はアンモニウムイオンによる電気二重層の圧縮によるためとして説明できた。一方TEOS濃度の増加に伴い水濃度が低い場合に多分散粒子が得られた。これはTEOS濃度が高い場合、多量に排出されるエタノ-ルによりシリカに対する貧溶媒化が進み、核生成が長期間に渡ったためと考えられる。なお、申請設備の蛍光寿命測定装置は標準サンプルを用いて装置の検証を行ったところで、現在inーsitu測定を行っている。 以上の結果を踏まえ次のようなモデルを導出した。まず重気度がJc以上の集合体のみをシリカ粒子と考え、溶解しているシリカとの間にしきい値を仮定した。また粒子数及び反応速度が撹拌速度に依存しないことから、核の生成は分子拡散により起こると考えられること、及びガスクロを用いたTEOS濃度の分析結果よりTEOS濃度は一次反応により減少することから、PopulationーBalance法による粒子発生の速度式を導出した。また粒子間に働く静電気的相互作用が無視できないと考え、安定度比を導入することによりこれを表現した。計算結果によると粒子数が10^<12>〜10^<13>(1/cc)の領域で、かつ単分散粒子が得られる場合について、本モデルは粒子数の温度やTEOS濃度条件の影響を充分に表現できることがわかった。次年度は、本モデルに粒子の溶解度や反応活性などを考慮することにより適用範囲の広いモデルの導出を行う。
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