1992 Fiscal Year Annual Research Report
球根花卉における貯蔵中のエチレン及び温度処理と植付け後の地温制御による作期拡大
Project/Area Number |
02556004
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
今西 英雄 大阪府立大学, 農学部, 教授 (20081549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久本 正 三洋電機特機株式会社, 主任
藤田 政良 和歌山県農業試験場, 暖地園芸センター, センター長
稲本 勝彦 大阪府立大学, 農学部, 助手 (50223235)
森 源治郎 大阪府立大学, 農学部, 講師 (20081515)
土井 元章 大阪府立大学, 農学部, 講師 (40164090)
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Keywords | 球根花卉 / 低温処理 / 地中冷却 / 最適地温 / 秋季開花 / 周年生産 / 作期拡大 |
Research Abstract |
地中冷却システムの改良冷却液を水からメタノールに変え,0℃以下の冷却液温の設定ができるようにし,また流量を5Ω/分にまで高めた。また,栽培ベッドの断熱を行うため,ベッド上面厚さ約1cmに粒状ロックウールを敷きつめた。この結果,高温期も夜間は目標値の15℃以下に地温を制御することができた。 チューリップ・ダッチアイリス冷却チューブからの距離を変えて低温処理球を植え,種々の地温で栽培したところ,チューリップでは地温を20〜18℃,ダッチアイリスでは20℃前後に制御すれば,開花がわずかに遅れるのみで,品質の良い切花が11月に得られることが分かった。 アルストロメリア前年度の地中冷却区の株を4月より摘らいしながら、前述のとおり改良を加えたベッドで栽培し続けたところ,供試3品種の開花はいずれも中断せず,9月から比較的品質の良い切花を得ることができた。また,前年と比べて秋の採花本数が多くなった。次に、新植株から秋に切花が得られないかどうかを検討するため,冬期を最低10℃で育苗してきた苗を,6月10日に地中冷却ベッドに植え付け,開花をみた。その結果,‘ウイルヘルミナ',‘カルメン'では7月より順調に開花シュートが発生し,9月から品質のよい切花が得られた。これに対し,‘レジナ'では,最低10℃で育苗した苗を地中冷却ベッドに植え付けても,開花は10月中旬以降となった。そこで,‘レジナ'に関しては,1℃で10週間の低温処理をあらかじめ施してから地中冷却ベッドに植え付けたところ,7月下旬から品質のよい切花を連続して得ることができた。これらの結果から,地中冷却により,アルストロメリア切花を周年生産することが可能であることが明らかになった。
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