1991 Fiscal Year Annual Research Report
DNAポリメラ-ゼ反復反応を用いる新しい遺伝子操作法と部位特異的変異導入法の開発
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02556013
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
谷澤 克行 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (20133134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多賀谷 光男 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (30179569)
福井 俊郎 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (90029843)
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Keywords | DNAポリメラ-ゼ反復反応(PCR) / DNA組換え技術 / 部位特異的変異導入法 / cDNA / アデニル酸キナ-ゼ / UDP-グルコ-スピロホスホリラ-ゼ / ランダムプライマ- |
Research Abstract |
未熟ジャガイモ塊茎より単離したUDP-グルコ-スピロホスホリラ-ゼのcDNAを大腸菌内で発現させるため、CDNA中の構造遺伝子部分をPCR法を用いて増幅し、プライマ-中に導入した新規制限酵素切断部位を利用することにより、発現ベクタ-pTV118-N中に増幅DNA断片を組み込んだ。得られたプラスミドpTUGを大腸菌にトランスフォ-ムレ、この組換え株をIPTG添加培地で培養した結果、全可溶性タンパク質の約5%に相当する本酵素が大腸菌細胞内で生産された。大腸菌中で発現された本酵素は、2段階のカラムクロマトグラフィ-操作で容易に精製することができた。均一に精製した本酵素は、アミノ末端残基のアセチル化の有無を除いて、ジャガイモ塊茎から精製した酵素と構造的にも触媒機能的にも同一であった。このように、通常そのまま大腸菌系ベクタ-に組み込んでも発現が困難な真核生物由来のcDNAでも、PCR法を利用してその構造遺伝子部分のみを増幅してからベクタ-と接続することにより、タンパク質として発現されることが本研究により明らかになった。次に、ニワトリ骨格筋由来アデニル酸キナ-ゼcDNAを鋳型として、その基質AMPの結合に関与すると推定される残基へのランダムな変異導入をPCR法により検討した。本酵素中の保存性の高い2つの残基、Val67及びGln101に対応するコドンにAGCT混合の塩基を含むオリゴヌクレオチドをランダムプライマ-としてデザインし、PCR法を行った。本酵素に対するウサギ抗血清を用いて、本酵素タンパク質を発現している形質転換株を選択するとともに、大腸菌のアデニル酸キナ-ゼ温度感受性変異株を宿主とし、その45℃での生育を指標とすることによって、酵素活性を有する変異型酵素をスクリ-ニングした。その結果、11種類のVal67変異型酵素と6種類のGln101変異型酵素が得られ、PCR法によるランダム変異導入の新しい方法を確立できた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Takuya Katsube: "Expression in Escherichia coli of UDP-Glucose Pyrophospho-rylase cDNA from Potato Tuber and Functional Assessment of the Five Lysyl Residues Located at the Substrate-Binding Site" Biochemistry. 30. 8546-8551 (1991)
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[Publications] Toshihide Okajima: "Site-Directed Rondom Mutagenesis of AMP-Binding Residues in Chicken Muscle Adenylate Kinase" J.Biol.Chem.(1992)