1990 Fiscal Year Annual Research Report
汎用農地における輪作体系が土壌の問隙構造の変化に及ぼす実証的研究
Project/Area Number |
02556030
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
高須 俊行 東京農業大学, 農学部, 教授 (40154778)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成岡 市 東京農業大学, 農学部, 助手 (70211448)
駒村 正治 東京農業大学, 農学部, 助教授 (60078194)
川島 栄 東京農業大学, 農学部, 助教授 (10078090)
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Keywords | 汎用農地 / 輪作体系 / 土壌間隙 / 土壌構造 / 土壌水分 / 輪換利用 / 耕盤 / 軟X線 |
Research Abstract |
水田の汎用化によって田畑輪換が行なわれ、その結果、土壌水分環境ならびに土壌・土層構造が大きく変化する。とくに耕盤と心土の問隙構造とその物理性を知ることは、間隙を伝わる水・溶質など物質の移動や貯留に重要な知見を与えることになり、輪換利用農地の作物に関わる地下環境を制御する上できわめて重要である。しかし、これらについて水田あるいは転換畑個々の研究はかなり行なわれてきたが、田畑転換の土壌変化および用・排水管理の研究についてはあまり行われていない。 本研究は、これらの諸点に注目して、全国各地の代表的な輪作体系実施地区について、圃場の土壌の物理性の経時変化および土壌断面調査による実測値を解析するとともに、最近開発された軟X線映像化法によって間隙構造の実態を明らかにし、さらに、圃場の用・排水管理と輪作体系地区の用・排水管理の実態から用・排水組織のあり方を見直し、汎用農地に適切な輪作体系を実証的に考察しようとするものである。 平成2年度では、現場圃場(宮崎、滋賀)の土壌および営農実態調査を行なった。あわせて、土壌内の水移動を追跡し、水収支の解析に用いるための自動観測機器を購入・設置した。また、水分動態のシミュレ-ションならびに汎用農地における潅漑・排水効果と土壌間隙構造の特性に関する要因分析に関して、室内実験を行なった。さらに、水田構盤の機能、転換畑における作物生育の状況、転換畑の土壌構造の特性、営農形態など水田または転換畑の個別的な検討を行なった。 その結果、土壌内の水分動態に影響を与える粗間隙の多くは営農形態に強く影響を受ける栽培作物の根系によって形成されており、輪換畑の粗間隙は水田と比べて屈曲度、内径とも大きく、作物の種類によって多様のようであった。
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