1992 Fiscal Year Annual Research Report
バイオマスを燃料とした単シリンダ型農用スターリング機関の試作研究
Project/Area Number |
02556031
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Research Institution | The University of Tokyo. |
Principal Investigator |
岡本 嗣男 東京大学, 農学部, 助教授 (40031215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥居 徹 東京大学, 農学部, 助手 (60172227)
木谷 収 東京大学, 農学部, 教授 (00024539)
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Keywords | スターリングエンジン / バローズ / 流動損失 / シミュレーション / シュミット理論 |
Research Abstract |
本年度は、ロッドシールならびにパワビストン部に、ベロフラムシリンダを用いて、作動ガスのシール性向上ならびに摺動摩擦力低減を図るスターリング機関を試作、試験を行った。ベロフラムシリンダというのは、摺動パッキンの代りに膜を用いたピストンで、作動膜部はきわめて薄く、膜は強力なポリエステル(テトロン)布などの上にゴムを被履したものである。今回スターリング機関の研究において、優れた性能を持つベロフラムシリンダをスターリング機関のパワーピストンおよびディスプレーサロットシールに利用して、スターリング機関の機密性を図るようにした。本機関をクランク位相遅れ角90°、作動ガス圧力0.2(kgf/cm^2)のもとで運転を試みた。しかし本機関は30分間の加熱で自立運転をできそうな現象がみられなかった。このとき高温部シリンダ内作動ガスの温度が約210℃にしかなっておらず、そのあと高温部の温度が上昇しにくかった。本スターリング機関の動力損失原因を調べるため、モータリングテストを行い機関全体の損失動力を測定を試みた。その結果、損失としては、流動抵抗が最も大きく全体の60%を占めていることがわかった。 スターリングエンジンの性能を予測するため、設計仕様であるTe=500℃および実験時のTe=200℃のときのシュミット理論によるシミュレーションを行った。さらに、ビール数をもとに動力損失を考慮して計算すると、機関出力がPm=0.1(MPa)では、0に近く、またPm=0.5(MPa)でも数W以下であるため、機関の自律運転が困難であることが判明した。したがって、本エンジンにおいて、熱伝導状態を改善して、高温部の温度上昇を図り、動力損失低減を十分に試みる必要がある。
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Research Products
(1 results)