1990 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳動物における受精卵(胚)の体外操作(凍結,分離,融合)に関する研究
Project/Area Number |
02556039
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
金川 弘司 北海道大学, 獣医学部, 教授 (00111162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石森 久雄 雪印乳業(株), 受精卵移植研究所, 研究員
清家 昇 雪印乳業(株), 受精卵移植研究所, 研究主任
菱沼 貢 北海道大学, 獣医学部, 助手 (30183578)
高橋 芳幸 北海道大学, 獣医学部, 助教授 (70167485)
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Keywords | 受精卵(胚) / 胚の凍結 / 胚の分離 / 胚の融合 / 凍害防止剤 / ガラス化 / 電気融合 / 性別判定 |
Research Abstract |
1.胚の分離:ウシ胚の切断二分離成功率は40%(N=55)であり、移植後の受胎率は27%(N=15)であった。分離胚を1個ずつrecipientに移植した場合、産子の発育に異常を認めなかったが、2個ずつ移植した場合には妊娠期間が短く、生時体重は軽く、その後の発育は遅延した。切断二分離胚を利用したウシ胚の性別判定(染色体検査)成功率は、39%(N=65)であった。さらに、染色体検査を使用しなかった地方の二分離胚を移植することによって、性別の明らかな産子を得ることができた。 2.胚り凍結:我々の開発した細胞膜透過型の糖アルコ-ルと非透過型の糖を凍害防止剤を使用した簡便な急速凍結法を確立するため、凍害に対して感受性の高い初期胚の凍結法についてマウス胚を用いて検討した。その結果、3Mエチレングリコ-ルト3.25Mショ糖あるいは乳糖を凍害防止剤として用いて、10分間の平衡後、2〜8細胞期胚を直接液体窒素ガスに入れて急速凍結すると70%以上の高い生存率が得られることが解り、さらに1細胞期胚および未受精卵子についても検討を行っている。さらに、胚のガラス化についてもマウス胚盤胞を用いて、ガラス化溶液に加える凍害防止剤について検討した結果、従来報告のなかった3.5Mエチレングリコ-ルト3.4MーDMSOの組み合わせが最も効果的にガラス化できることが解った。胚のガラス化溶液への平衡は室温で0.5〜1.5分間が最適であり、80%以上の生存率が得られた。 3.胚の融合:マウス2細胞期胚の融合、とくに電気融合の条件を明らかにし、90〜95%の融合率が得られるように成った。融合胚の発育を調べた結果、90%以上が胚盤胞へ発育し、その胚盤胞の細胞数は無処理胚のほぼ半数であり、さらに融合胚の染色体は4倍体であることを確認した。
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[Publications] TANIGUCHI.T.: "Electric fusion of zonaーfree mouse twoーcell embryos." Proc.7th Congr.Fed.Asian Vet.Ass.851-855 (1990)
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[Publications] Valdez,C.A.: "In vitro and in vivo development of vitrifiedーthawed mouse morulae." Proc.7th Congr.Fed.Asian Vet.Ass.844-850 (1990)
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[Publications] Cheong,H.T.: "Effects of various electric fields on the fusion and in vitro development of mouse twoーcell embryos." Theriogenology. (1991)
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[Publications] Valdez,C.A.: "Effect of trehalose dilution on the survival of vitrifiedーthawed mouse morulae." Jpn.J.Vel.Res.(1991)
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[Publications] Ishimori,H: "Viability of vitrified mouse embryos using various cryoproteclant mixture." Theriogenology. (1991)