1990 Fiscal Year Annual Research Report
変動電磁場を利用した微小電流刺激による骨折治癒機転促進の可能性
Project/Area Number |
02556040
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹内 啓 東京大学, 農学部, 教授 (90011874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊達 宗宏 理化学研究所, 研究員 (50087409)
西村 亮平 東京大学, 農学部, 助手 (80172708)
佐々木 伸雄 東京大学, 農学部, 助教授 (60107414)
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Keywords | 変動電磁場 / 電気刺激 / 骨折 / 治癒促進 |
Research Abstract |
微小電流刺激による骨折の治癒機転促進を最終目標として、今年度は刺激装置の設計・作成を行い、さらに一部骨折モデルを作成した兎に対し、実際に刺激を行いその効果について検討した。 刺激電流としては、生体に非侵襲的な変動電磁場による誘導電流を利用し、第1にこれに必要な変動電磁場発生装置を作製した。作製した装置は、さまざまな照射条件に対応できるよう変動周波数、波形の保持時間あるいは磁場強度の諸条件が可変型であり、また連続照射が可能なように、用量の大きいバッテリ-を搭載している。このため重量が5.6kgとなったが、今後最適条件に固定でき、かつ12時間程度照射できる装置であれば大幅な小型化が可能であることが明らかとなった。さらに磁場を発生させるために骨折部をはさんで相対させて用いるヘルムホルツコイル形状は、ウサギ用には直径7cm程度が適切であることが分り、銅線をコイル状に巻き作製した。ただし今回のコイルは高磁場にも耐えるように作製したので、重量の点でやや問題があった。この点については次年度以降の検討課題である。第2に以上の装置を用いて腓骨切断骨折モデルを作製したウサギに、一定条件の変動電磁場照射を4週間まで行った。その結果2週間後までは、対照群と比較して骨折部の仮骨量に差は認められなかったが、3、4週間後では照射群の方が仮骨量が多く、また骨折線から離れた部位にも仮骨の新生が認められ、仮骨産生を刺激しているものと考えられた。
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