1990 Fiscal Year Annual Research Report
特異的阻害剤によるプロテインキナ-ゼの立体構造の推定方法の開発
Project/Area Number |
02557009
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
日高 弘義 名古屋大学, 医学部, 教授 (80100171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 正人 名古屋大学, 医学部, 助手 (30220924)
萩原 正敏 名古屋大学, 医学部, 助手 (10208423)
小林 良二 名古屋大学, 医学部, 助教授 (00020917)
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Keywords | プロテインキナ-ゼ / プロテインキナ-ゼ阻害剤 / 阻害剤デ-タベ-ス |
Research Abstract |
近年、種々の細胞機能の調節に深くかかわっているとされる蛋白質リン酸化反応を触媒するプロテインキナ-ゼにますます注目が集まっているが、本研究では、独自の阻害剤デ-タベ-スを駆使して、プロテインキナ-ゼの機能ドメインの三次構造の推定や更に新しい特異的阻害剤を検索し、創製するための一般理論化を行なうことを目的とした。初年度は、研究対象として現時点で研究者の関心がもっとも高いカルモデュリンキナ-ゼIIに重点を置き、世界の研究の趨勢に沿うようにした。すなわち、オリジナルデ-タベ-スよりカルモデュリンキナ-ゼIIの特異的阻害剤KNー62を見いだすことに成功し、しかも、コンピュ-タ-グラティクスにより三次元分子構造を推定し、コントロ-ル化合物との立体構造上の差異も明らかにすることができた。KNー62は細胞レベルでもカルモデュリンキナ-ゼIIによるリン酸化反応を阻害することが判明し、細胞膜透過性を有することも実証された。また、KNー62に関する情報をデ-タベ-スにフィ-ドバックすることにより、更に新しい有用なカルモデュリンキナ-ゼII阻害剤の候補を特定しつつある。この発見により阻害剤がプロテインキナ-ゼと直接結合できることが判明し、さらにアフィニティ-リガンドとしてプロテインキナ-ゼのアフィニティ-精製に応用ができ、比較的簡便にしかも迅速に目的のプロテインキナ-ゼが得られることから、機能ドメインの三次構造の推定に非常に役立つことが期待できる。その他のプロテインキナ-ゼ(ミオシン軽鎖キナ-ゼ、Aキナ-ゼ、Cキナ-ゼ、カゼインキナ-ゼIなど)についても化合物の各プロテインキナ-ゼに対する阻害作用と化学構造に関する相関関係のデ-タベ-スを補完・充実させ、最適化合物の選出が容易に行なえるようにしている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H.Tokumitsu et al.: "KNー62,1ー[N,Oーbis(isoquinolinesulfonyl)ーNーmethylーLーtyrosyl]ー4ーphenylpiperazine,a specific inhibitor of Ca^<2+>/calmodulinーdependent protein kinase II." J.Biol.Chem.265(8). 4315-4320 (1990)
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[Publications] H.Hidaka et al.: "Molecular pharmacology of protein kinases." Neurosci.Res.15(4). 431-434 (1990)
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[Publications] H.Hidaka et al.: "Novel and selective inhibitors of CaMーkinase and other calmodulinーdependent enzymes.in Calcium Binding Proteins in Normal and Transformed Cells" Plenum Press, TT.159-162 (1990)