1990 Fiscal Year Annual Research Report
血中抱合型カテコ-ルアミンのHPLCによる分別定量法の開発とその応用
Project/Area Number |
02557010
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
岡 源郎 徳島大学, 医学部, 教授 (60028298)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石村 泰子 徳島大学, 医学部, 助手 (40035431)
|
Keywords | 血中抱合型カテコ-ルアミン / HPLCによる分別定量 / 高血圧症 / 心不全 / ド-パミン抱合型の心作用 / ド-パミン抱合型の脱抱合 / 血中ド-パミンの貯蔵型 |
Research Abstract |
血中に大量に存在する抱合型カテコ-ルアミンとくにド-パミン抱合型(全カテコ-ルアミンの70%以上を占め、遊離型ド-パミンは極めて少ない)を、従来の酵素法、熱処理などにより、いったん遊離型にもどして測定するのではなく、直接抱合型のままHPLCを用いて、簡便に迅速に分別定量しえるシステムを開発するのを目的とし、併わせてその臨床面での応用から、とくに血中ド-パミン抱合型の生理的意義を追求する。 1.既知サンプルとして使用するカテコ-ルアミン硫酸抱合型を試験管内で合成し、その3ー0ー抱合型、4ー0ー抱合型のHPLCによる分別定量法は確立したものの、ヒト血中からのカテコ-ルアミン抱合型の分別定量にあたっては、とくに前処理操作の段階で工夫を必要とし、十分に確立されたものにはなっていない。 2.高血圧の症例では、血中ド-パミン抱合型のレベルは、正常にくらべて有意に高く、治療による血圧の正常化に伴い低下してくる。ド-パミン抱合型は血圧の調整にあづかっているのかもしれない。 3.急性心不全患者の血中ド-パミン抱合型は減少し、遊離型ド-パミンレベルは上昇している。心手術後はこれらの変動したレベルは正常レベルにもどる。 4.ラット灌流心において、ド-パミンー4ー0ー硫酸抱合型は、ド-パミン様強心作用を現わしたが、これには心房の存在が必須であり、心房の存在下、添加したド-パミンー4ー0ー硫酸抱合型は脱抱合をうけ、遊離型ド-パミンになることを明らかにした。 ド-パミン抱合型は、各臓器において脱抱合をうけ、ド-パミンとしての機能を発揮することから、一種の血中でのド-パミン貯蔵型と考えられる。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Takeshi,Ohuchi: "Free and conjugated dopamine in the plasma of patients with acute and chronic heart failure" Jpn.J.Pharmacol. (Suppl.). 52. 201 (1990)
-
[Publications] 大内 武: "抱合型ド-パミンの心作用と心房の役割について" 心臓 (Suppl.3). 22. 11-13 (1990)
-
[Publications] 大内 武: "抱合型カテコ-ルアミンの各種臓器に於ける脱抱合反応について" 臨床薬理. 22. 199-200 (1991)
-
[Publications] 石村 泰子: "イヌ腎切片におけるド-パミン抱合型の生成とこれに及ぼすエピニン、フラボノイド類の影響"