1991 Fiscal Year Annual Research Report
脳内神経伝達物質受容体に対する抗体を用いた神経回路網の免疫組織化学的検索法の確立
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02557011
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
栗山 欣弥 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (20079734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣内 雅明 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (70181196)
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Keywords | GABA_A受容体複合体 / GABA_B受容体 / モノクロ-ナル抗体 / 免疫組織化学 / mRNA / バクロフェンアフィニティカラム / 純化精製 / cDNAクロ-ニング |
Research Abstract |
本年度はGABA_A受容体の精製とモノクロ-ナル抗体の作製、バクロフェン・アフィニティ-カラムによるGABA_B受容体の精製とこれに対するモノクロ-ナル抗体の作製、及びこれらの抗体を用いたGABA_A及びGABA_B受容体に関する免疫組織化学法の確立を目指して研究を進めた。1)GABA_A受容体:ベンゾジアゼピン・アフィニティ-カラムを用いて本受容体を精製し、α,サブユニットcDNAをプロ-ブとして特異的mRNAをラット脳から得て、アフリカツメガエルの卵母細胞に注入することにより、GABA_A受容体の機能発現をみることができた。またGABA_A受容体蛋白によりマウスを免疫してポリクロ-ナル抗体を得ると共に、そのクロ-ンをスクリ-ニングすることによりモノクロ-ル抗体を得た。2)GABA_B受容体:GABA_B受容体作動薬であるバクロフェンを不動化リガンドとしてアフィニティゲルを作製し、アフィニティ-カラム・クロマトグラフィによりGABA_B受容体の精製に成功した。このGABA_B受容体蛋白は80KDaの分子量を有する糖蛋白であり、目下その塩基・アミノ酸配列の決定と、cDNAクロ-ニングを行っているところである。次にこの精製GABA_B受容体蛋白をBalb/cマウスに投与し、ウェスタン・ブロット法によりクロ-ンのスクリ-ニングをして、IgM型のモノクロ-ナル抗体(GB-1)を得た。このGB-1抗体はGABA_B受容体結合を特異的に阻害するものであった。上記のGABA_A受容体及びGABA_B受容体に対するモノクロ-ナル抗体、及び既存のGABA抗体を用いて、マウス及びラットの小脳、黒質、視床下部を中心とし、両受容体の脳内分布、特に電顕的免疫組織化学法による前シナプス部及び後シナプス部における局在の差異について検討を進めているところである。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] H.Nakayasu: "Molecular Antibody to GABA Binding Protein,a possible GABA_B Receptor." Biochemical and Biophysical Research Communications. 182. 722-726 (1992)
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[Publications] M.Hirouchi: "Expression of mRNA for Gsα and Gi2α during development of mouse cerebral cortical neurons in primary culture." Neuroreport. 2. 766-768 (1991)
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[Publications] 栗山 欣弥: "神経伝達物質受容体の薬理学-GABA/ベンゾジアゼピン受容体を中心として-" ブレインサイエンス. 2. 409-428 (1991)
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[Publications] J.Taguchi: "Immunohistchemistry of GABA_A receptor complex in the central nervous system." Neuroscience Research. Suppl.14. S.80- (1991)
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[Publications] K.Kuriyama: "Purification and identification of 61 Kilodalton GABA (γ-aminobutyric acid)_B receptor from bovine brain." Molecular Neuropharmacology. (1992)
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[Publications] Y.Suzuki: "Effect of γ-vinyl-γ-aminobutyric acid on the γ-aminobutyric acid receptor-coupled chloride ion channel in vesicles from the brain of rat." Neuropharmacology. 30. 423-427 (1991)
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[Publications] K.Kuriyama: "Endcrinology and Metabolism,Vol.7 Ion channel and Ion Transport" Springer-Verlag,New York, (1992)
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[Publications] 栗山 欣弥: "フリ-ラジカルの臨床.Vol.6(近藤 元治他篇)" 日本医学館, 256 (1992)