1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02557030
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池田 正之 京都大学, 医学部, 教授 (00025579)
|
Keywords | ジメチルホルムアミド / 拡散型サンプラ- / 水 / 捕集剤 / 捕集効率 / 自然脱着 / 個人曝露濃度 / FTD-ガスクロマトグラフ |
Research Abstract |
水を吸着剤とする拡散型サンプラ-を開発し、ジメチルホルムアミド(DMF)の気中濃度測定の可否について検討した。サンプラ-は市販の2.5mlディスポ-ザブル注射器2ヶを加工したもので、気中のDMFは多孔性半透膜を介して水の中に吸着される。流動的蒸気連続発生装置を用いて一定濃度のDMF蒸気を発生させ、その蒸気中にサンプラ-を曝露してその吸着量をFTD-ガスクロマトにより定量した。その結果によれば、サンプラ-に捕集されたDMF量はDMF曝露時間(0.25ないし8時間)およびDMF曝露濃度(3ないし58ppm)と比例した。産業職場での気中DMF濃度は一定でなく、時々刻々変化するのが常態であろうと推定される。このような条件に対応し得るか否かを検討するため、59ppmのDMFに短時間(15分間)曝露し、曝露に伴って捕集されたDMF量を長時間曝露時に捕集されたDMF量と比較して短時間曝露に対する反応性の良否を見たところ、捕集効果はほぼ90%であった。さらに一度水に捕集されたDMFが新鮮空気中に放置した場合自然脱着するか否かについて検討したところ、12時間にわたって水中DMF濃度に変化を認めず、自然脱着による半減期は特に考慮する必要がない程に長いと判断された。以上の成果に基づき実際にDMF職場に勤務している労働者に8時間の作業期間にわたって装着し、作業終了時の尿中に排泄されるモノメチルホルムアミド(DMF代謝物)濃度との相関を検討したところ、有意な相関が観察された。
|