1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02557030
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
池田 正之 京都大学, 医学部, 教授 (00025579)
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Keywords | シリカゲル / 酢酸メチル / 個人サンプラー / 拡散型サンプラー |
Research Abstract |
酢酸メチルはメタノールとともに近年親水性の有機溶剤として次第にその使用頻度が上昇している溶剤である。この溶剤がシリカゲルに対して親和性が強いことに着目して拡散型個人サンプラーを開発することを試みた。内径9mm・長さ50mmのプラスチックス管にシリカゲルA(20〜30メッシュ)1.2gを充填した。円筒の一端は閉じ、他端には直径5.7mmの開口部をもうけ、半透膜(セルポアNW-11)を介してシリカゲルと外気の間に拡散がおこるように設計した。さらに円筒の開口端には長さ70mmの外管を設け、外管内では空気の流通がおこらず、拡散のみが主力となるように配慮した。このサンプラーの機能を流動型有機溶剤曝露装置を用いて試験した。シリカゲルに吸着された酢酸メチルはエタノールを用いて脱着し、DB-WAXカラムを用いてガスクロマトにより定量する。酢酸メチル蒸気を50、100、200、400、800、1600ppmの濃度で最長8時間連続発生させ、シリカゲル・サンプラー、水を捕集剤とするサンプラー、活性炭膜を捕集剤とするサンプラーの3者を平行して曝露し、比較検討を行った。シリカゲル・サンプラーと水・サンプラーはともに1600ppm×8時間曝露時にもCXTに比例した吸着を示すのに対して活性炭サンプラーでは高濃度長時間曝露時に吸着の飽和を認めた。さらに吸着後の自然脱着の半減期を求めたところシリカゲル・サンプラーでの半減期が300時間以上と長いのに対して、水・サンプラーでは10時間以内と短時間であった。以上の所見から酢酸メチルに対する拡散型サンプラーとしてシリカゲルAを捕集剤とするサンプラーが最適であると考えられた。
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