1990 Fiscal Year Annual Research Report
微量生物試料からの揮発性薬毒充物分析用機器の開発と測定方法の確立
Project/Area Number |
02557032
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
永野 耐造 金沢大学, 医学部, 教授 (20073679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 均 大阪市立大学, 医学部, 教授 (20135049)
龍野 嘉紹 神戸大学, 医学部, 教授 (80030831)
小嶋 亨 広島大学, 医学部, 教授 (70037399)
篠原 利明 科学警察研究所, 法科学第1部, 部付主任研究官
大栗 直毅 日本分析工業株式会社, 研究所, 主任研究員
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Keywords | 微量生物試料 / 揮発性薬毒物 / パルス加熱 / 分析用機器 / 測定方法 / 強磁性体合金 |
Research Abstract |
極く微量の生物試料からエタノ-ル等の揮発性物質を迅速・簡便で正確に分析しうる装置の開発と測定方法の確立のために研究を遂行し、本年度は以下の点で進展をみた。 1.加熱用強磁性体合金として220℃用パイロホイルを開発した。これは従来用いてきた170℃と235℃の間の温度である、温度条件を更に詳細に検討しえた。160、170、220及び235℃とも略同様の値を示した。 2.微量試料採取用円筒体の試作品として、アルミ製カプセルを開発した。このカプセルは熱伝導は良いためエタノ-ル及びトルエンによる予備実験で従来の直接強磁性体に試料を適用するのと同様の成績が得られた。今後さらに大きさ等の改良を加え分析試料用カプセルとしたい。 3.エタノ-ル、クロロホルム、エ-テル及びトルエンを投与した動物の血液及び尿を本法で分析し、同時に気化平衡法でも分析してその値を比較すると、エタノ-ルにつきY=1.03X+0.02(r=0.998(Y:パスヒ-ティング法による値、X:気化平衡法による値、r=相関係数)、クロロホルムにつきY=0.879X+14.7(r=0.982)、エ-テルにつきY=0.741X+10.2(r=0.916)及びトルエンにつきY=1.03X-0.53(r=0.988)の相関関係が実験的に求められた。これら4種の揮発性薬毒物については、両方法とも略同様の分析値を示すことが明らかになった。但し沸点の低いエ-テルはやや相関が低く、今後の検討課題である。 4.各研究機関で同一試料についての一斉分析については研究分担者の配置換えで機器の導入が遅れたが、現在は設置も完了し、動物実験試料を作製し同一試料を各機関で分析中で、鋭意研究を進めている。 今後は上記の結果に基づき、最適の温度条件及び試料用円筒体を用いて、同一試料について複数の研究機関で信頼できる分析ができるように詳細に検討を進めていく予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Nagano,T.Takayasu,T.Ohshima,H.Maeda: "An alanytical method for volatiles in the biological materials by pulse heating" Proc.1st.Int.Symp.Advances Legal Mes.(1991)
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[Publications] 永野 耐造,大島 徹,高安 達典,西上 潤,朱 宝利,前田 均: "救急医療をめぐる臨床法医中毒学的研究(第4報)Pulse heating GC法、GCーMS法及びCOメ-タ-による薬毒物分析の実際" 日法医誌. 45. 197 (1991)
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[Publications] 高安 達典,西上 潤,前田 均,永野 耐造: "薬毒物中毒に関する法医中毒学的スクリ-ニング2.Pulse heating(Py)ーGCとGCーMSによる分析" 日法医誌. 44. 55 (1990)
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[Publications] T.Miyazaki,T.Kojima,M.Yashiki,F.Chidasue,I.Tsukune: "Correlation between "on admession" blood toluene concentrations and the presence or absense of signs and symproms in solbent abusers" Forensic Sci.Int.44. 169-177 (1990)
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[Publications] N.Oguri: "Rapid discrimination method for the animal fat using pyrolyzerーgas chromatograph" Proc.1st.Int.Symp.Advances Legal Med.(1991)
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[Publications] J.Adachi,Y.Tatsuno,Y.Ogawa,K.Nakagawa,Y.Mizoi: "Greenish discoloation of skin and formation of sulfhemoglobin caused by hydrogen sulfide poisoning and putrefaction" Proc.1st.Int.Symp.Advances Legal Med.(1991)