1991 Fiscal Year Annual Research Report
類天疱瘡抗原蛋白抗原決定基の検索と合成ペプチドを用いた新しい自己抗体検索法の開発
Project/Area Number |
02557045
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
西川 武二 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50051579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 明 トーネン基礎研究所, 研究員
三木 敬三郎 トーネン基礎研究所, 所長
田中 勝 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40188339)
橋本 隆 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20129597)
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Keywords | 類天疱瘡 / 自己免疫性水疱瘡 / 抗表性基底膜部抗体 / リコンビナント(基底膜抗原)蛋白 |
Research Abstract |
リコンビナント類天疱瘡(BP)抗原蛋白を用いて、BP患者血清との反応性をELISA法にて検討すると共に免疫ブロット法による結果と比較し、BPの診断法としての可能性も合わせて検討した。今回我々は当教室にて単離された230KDBP抗原のC末端の約半分の翻訳領域を含むCDNAクロ-ンであるBPMIより作成された2種のリコンビナントBP抗原を用いて、ELISA法によりBP患者血清との反応性を検討した。更に免疫ブロット法による結果と比較した。100例のBP患者,50例の正常人,20例の天疱瘡患者血清とPOP-BPI(120kb)XE(60KD)二種のリコンビナントBP抗原蛋白との反応性をELISA法にて検討した。その結果,POP-BPI,XEを抗原とした場合とも,BP患者血清は正常人,天疱瘡患者の血清と比較し、有意に高い反応性を示した(P<0.05unpaired wilcoxon test)一方,Western blot法におけるPOP-BPI,XE蛋白の反応性とELISA法の結果を比較した結果,Western blot法で120KD陽性と確認されている53例中48例がELISA法にてリコンビナント蛋白と高い反応性を示した(48/53 91%A_<495>>0.7)。また,60KD陽性と確認されている49症例中48例がELISA法にてもリコンビナントBP蛋白と高い反応性に示した(48/49 99%A_<495>>0.8)。この結果により、ELISA法は,Western blot法とほぼ同様にBP抗体を検出できることに明らかになった。更に,ELISA法はWestern blot法と比較し,より簡便に一度に多量のサンプルを処理できる利点があり、将来ELISA法が従来の蛍光抗体間接法(IIF)に変わる可能性を示唆したものと考えられた。またBP患者血清の二種のリコンビナント抗原蛋白との反応性をIIF抗体価と比較検討したが,現段階では,両者間に明らかな相関関係は認められなかった。
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[Publications] 橋本 隆: "免疫ブロット法による自己免疫性水疱症の診断" 臨床皮膚科. 45. P.115-P.120 (1991)
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[Publications] 田中 勝: "免疫ブロットによる類天疱瘡抗体の表皮抽出液抗原およびリコンビナント基底膜抗原蛋白との反応性ならびに臨床デ-タとの関連" 日本皮膚科学会雑誌. 101. P.1243-P.1251 (1991)
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[Publications] Tanaka M,Hashimoto T,etal.: "Characterization of bullous pemphigoid antibodies by use of recombinant bullous pemphigoid antigen proteins." J.Invest.Dermatol.97. 725-728 (1991)
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[Publications] Hashimoto T,Ebihara T,etal.: "Comparative study of bullous pemphigoid antigens among Japanese,British and U.S.patients indicates similar antigen profiles with the 170KD antigen present both in the basement membrane and on the keratinocyte cell membrane." submitted for publication in the J.Invest.Dermatol.