1990 Fiscal Year Annual Research Report
合成ハイドロキシアパタイト熱分解産物の骨セメントとしての応用
Project/Area Number |
02557057
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
森井 孝通 横浜市立大学, 整形外科, 助手 (00174392)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茂 啓二郎 住友セメント株式会社, 中央研究所, 研究員
奥 隆司 住友セメント株式会社, 中央研究所, 主任研究員
君島 健之 住友セメント株式会社, 中央研究所, 主任研究員
塩田 雄治 住友セメント株式会社, 中央研究所, 所長
和田 次郎 横浜市立大学, 整形外科, 助手 (00220955)
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Keywords | ハイドロキシアパタイト / 熱分解産物 / 骨セメント |
Research Abstract |
1,ハイドロキシアパタイト熱分解産物を家兎大腿骨骨随内に注入した組織反応ハイドロキシアパタイト熱分解産物すなわちα型リン酸三カルシウムとリン酸四カルシウムの粉末体10gに1.7%リン酸ナトリウムと1.7%クエン酸ナトリウムを含有する水を3.5ml添加,泥状とし,NSWラビット(体重2620〜2860g)28羽の大腿骨骨随内に注入した。埋入後2,4,9週で屠殺,軟X線撮影後,非脱灰標本を作成した。X線像では2,4,9週のいずれの時期でも全例本材料は一塊となっており,本材料周囲に骨透明像は見られなかった。屠殺時,肉眼所見でも本材料は骨随内で骨随内で硬化しており,組織像ではすでに2週で一部本材料周囲に新生骨が新生骨が接していた。4週以降では本材料表面でほぼ全周性に新生骨が接していた。X線回折では摘出したセメントはすべてハイドロキシアパタイトであった。SEM像でも骨との境界面に軟部組織の介在は認められなかった。また,エネルギ-分散型X線分光分折法(EDXA)スペクトルでは皮質骨とセメントとのカルシウム,リンの比は同じであった。以上の結果より本材料は家兎骨随内においても硬化し,100%純粋なハイドロキシアパタイトとなり,極めて良好な骨親和性を有することが判明した。 2.ハイドロキシアパタイト熱分解産物のマウス腹腔内大量投与ウイスタ-系白色ラット雄8週齢18匹の腹腔内,皮下にハイドロキシアパタイト熱分解産物の硬化体0.3gを投与した。投与後7,14,28日(各群3匹)では死亡したラットはいなかった。局所の炎症反応もみられず,血液生化学検査でも異常はみられなかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 森井 孝通: "合成ハイドロキシアパタイトのラット大腿骨,高齢者ヒト脛骨に埋入した組織反応と合成ハイドロキシアパタイトセメント" リウマチ. 29. 423-424 (1990)
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[Publications] 久保田 亘: "ウサギ大腿骨,骨随内に注入したハイドロキシアパタイト熱分解産物のX線学的・組織学的反応" 第9回 整形外科セラミック・インプラント. (1989)
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[Publications] 久保田 亘: "ウサギ大腿骨,骨随内に注入したハイドロキシアパタイト熱分解産物による硬化性物質に対するX線学的・組織学的反応" 第5回 日本整形外科基礎学術集会(ワ-クショップ)発表日整会誌発表予定. (1990)
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[Publications] 久保田 亘: "ハイドロキシアパタイト熱分解産物の硬化性物質による骨組織反応" 第10 整形外科セラミック・インプラント. (1990)
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[Publications] 薄井 利郎: "ハイドロキシアパタイト熱分解産物を用いてコ-ティングしたステンレスロッドに対するウサギ脛骨骨組織の反応" 第5回 日本整形外科基礎学術集会. (1990)
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[Publications] 薄井 利郎: "ステンレスロッドにコ-ティングしウサギ脛骨骨随内に埋入したハイドロキシアパタイト熱分解産物に対する骨組織反応" 第18回 日本リウマチ・関節外科学会(シンポジウム). (1990)