1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02557063
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡井 崇 東京大学, 医学部(病), 助教授 (40126016)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海野 信也 東京大学, 医学部(病), 助手 (90193979)
上妻 志郎 東京大学, 医学部(病), 助手 (30143457)
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Keywords | 胎児 / 人工胎盤 / 体外循環 / ECMO / 人工羊水 / ヤギ |
Research Abstract |
本年度は、これまでの研究成果をふまえ、体外循環による未熟動物胎仔の長期間にわたる安定した保育方法の開発を第一目標とした。これまでの検討から、体外循環による酸素供給を受け、人工羊水中で保育されているヤギ胎仔の状態が悪化する原因として以下の点が考えられた。(1)腎機能の異常と過剰な羊水嚥下による水分貯留。(2)胎仔の活発な体動による循環系の過剰な変動。以上の問題を解決するために、胎仔に筋弛緩剤を投与し、嚥下行動を含む体動を抑制し、厳密な水分出納管理のもとでの人工羊水中子宮外保育を試みた。 その結果、2頭のヤギ胎仔を対象としてそれぞれ493時間(20日間)と542時間(22日間)、安定した子宮外保育実験を持続することができた。これらの胎仔は長期間の体外循環による保育の後、人工呼吸器補助による肺呼吸で、それぞれ704時間(29日間)と169時間(7日間)、生存を維持することが可能であった。この結果は、本研究における胎仔の子宮外保育方法が、長期にわたる安定した保育にとって有効な方法であることを証明している。本研究の最終的な目標であった2週間を越える子宮外保育が実現したことによって、本方法が今後臨床的な観点からもさらに検討するに値するものであることが示されたと考えられる。 本年度はさらに、子宮外保育下の未熟胎仔の循環動態の変動を明らかにする方法を開発する目的で、thermodilution法による心拍出量測定方法及び、colored microsphereを用いた臓器血流量測定方法の確立のための予備研究をヤギ胎仔6頭を用いて行いその有用性を確認した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 海野 信也,桑原 慶紀: "子宮内環境と子宮外環境の違いー「人工子宮」開発の立場からー" 周産期医学. 22. 1053-1056 (1992)
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[Publications] Nobuya Unno,et al: "Development of an artificial placenta:Optiwal extracorporeal blood flow in goat fetuses auring extrauterine incubation with uwbilical arterio-uenous extracorporeal wembrane oxygenation." Artificial Orgauc Today. 2. 197-204 (1992)
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[Publications] 海野 信也他: "ストレスに対する適応性の成熟ー低体温ストレスに対する反応" 周産期学SYMPOSIUM. 10. 19-26 (1992)