1992 Fiscal Year Annual Research Report
エナメル芽細胞の初代培養系の開発とその株細胞樹立の試み
Project/Area Number |
02557069
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
栗栖 浩二郎 大阪大学, 歯学部, 教授 (50028346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田畑 純 大阪大学, 歯学部, 助手 (20243248)
久木田 明子 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (30153266)
松橋 幸子 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (00128141)
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Keywords | エナメル芽細胞 / 初代培養 / 株細胞 / 歯胚 / 形質転換 / ラット / 発生 / 発癌遺伝子 |
Research Abstract |
歯胚に含まれているコラーゲは主としてI,III,IV型であることが知られている。しかし、それらのコラーゲンが歯胚の形態形成において果たす役割については明らかでない。最近特定の遺伝子の機能を明らかにするためにantisense oligonucleotide(ASN)を利用する技術が開発された。この方法は、mRNAに相補的に結合する15塩基程度のASNを合成し、これを用いて特定の遺伝子の発現を調節することによって、その機能を解析しようとするものである。本研究は、I,III,IV型コラーゲンのmRNAに対するASNを培養歯胚に添加して遺伝子の発現を調節することによって、これらのコラーゲンの歯胚発生おける役割を、主として形態学的手段で解析ることを目的とする。 4年度までの実験ではまだ具体的成果を得ていないが、いくつかの反省点がえられた。まず、歯胚の器官培養については、(1)歯胚に付着している口腔上皮はできるだけ充分に取り除いておくこと。口腔上皮は歯胚より増殖活性が強いため、歯胚自体の発育が抑制される。(2)歯胚をマウスの顎組識より摘出するさいできるだけ歯小嚢にキズをつけない。(3)歯胚の器官培養には現在ミリポア社のMillicell-HA型ディシュが最も良い結果が得られているが、今後さらに検討を続けたい。ASNについては、各コラーゲンのmRNAに対するASNが期待どうりには対応するタンパクの合成を阻害していない。その原因としては、細胞内に取り込まれたASNがendonuclaseによって分解され、asnが細胞内で十分な濃度に達していない為とも考えられる。そこで、endonucleaseに対する抵抗性を付与する目的で、ASNの末端のリン酸基をmethylphosphonateやethylpho-sphotriesterで修飾したものを利用すること、プローブの部位を再検討することなど、総合的な見直しを行って実験を続けている。
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[Publications] T.Inai: "Demonstration of amelogenin in the enamel-free area in the occlusal cusps of rat molar tooth germs:Immunofluorescent and immunoelectron microscopic studies." Anatomical Record. 233. 588-596 (1992)
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[Publications] K.Nagata: "Demonstration of type III collagen in dentin of mouse molars." Matrix. 12. 448-455 (1992)
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[Publications] K.Kukita: "Primary and secondary culture of rat ameloblast in serum-free medium." Calcified Tissue Intermational. 51. 393-398 (1992)
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[Publications] T.Inai: "Immunohistochemical detection of an enamel-related epitope in rat bone at early stage of osteogenesis." Histochemistry.