1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02557070
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山田 正 東北大学, 歯学部, 教授 (50005021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 信博 東北大学, 歯学部, 助手 (60183852)
岩見 憙道 東北大学, 歯学部, 助手 (60005030)
阿部 一彦 東北大学, 歯学部, 助教授 (40151089)
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Keywords | 酸素感受性酵素 / 高度嫌気条件 / ピルビン酸ギ酸リアーゼ / 口腔レンサ球菌 / 糖代謝 / 嫌気グローブボックス / 酸素活性測定 / アクチノミセス |
Research Abstract |
完成した酸素感受性酵素の精製・活性測定装置を用いて以下の成果を得た。 酸素感受性酵素であるピルビン酸・ギ酸リアーゼの活性中心の近傍にはプロテインラジカルが存在し、これが分子状の酸素と反応し、その局所で反応性の高い活性酸素が生じ、その結果としてピルビン酸・ギ酸リアーセは非可逆的に失活することを推定させる結果が得られた。ピルビン酸・ギ酸リアーセの可逆的な不活性型はラジカルをもたないた、め酸素に耐性であるが、嫌気条件下ではピルビン酸・ギ酸リアーセ活性化酵素によりラジカルを持つ活性型ピルビン酸・ギ酸リアーセに変換する。ピルビン酸・ギ酸リアーセ活性化酵素の精製を進めたところ、きわめて不安定であったが、二価鉄、セレン、プテリンなどとのにより活性が回復した。この結果は、キサンチンオキシダーゼなどに存在するプテリン様の補酵素を含有していることを推定させる。このピルビン酸・ギ酸リアーセ活性化酵素はピルビン酸で活性化されるがオキサミン酸による活性化は認められないこと、はるかに不安定であることなど、これまで報告されている大腸菌の酵素とはかなり異なる性質をもっていることがわかった。また、ソルビトールなどで検討した結果、歯垢細菌の高度嫌気条件下における糖代謝ではNADH/NADの酸化還元バランスをとることが重要であり、このバランスをとるために種々の細菌で様々な対応をしていることが判明した。レンサ球菌ではピルビン酸・ギ酸リアーセが重要な役割をしているが、乳酸桿菌ではピルビン酸・ギ酸リアーセ系のほかに、酢酸をエタノールへ還元する代謝系が働き、NADHの再酸化系が機能して酸化還元バランスをとることができる。アクチノミセスでは重炭酸の存在で乳酸産生系に加え、コハク酸産生系が働き、NADHの再酸化系が働いて代謝が促進されることなどがわかった。
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[Publications] Y.Iwami: "Acid productionby streptococci grouing at low pH in a chemostat under anaerobic conditions." Oral Microbiol.Immunol.7. 304-308 (1992)
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[Publications] N.Takahashi: "Stimulatory effect of bicarbonate on the glycolysis of Actinomyees viscosus and its biochemical mechanism." Oral.Microbiol.Immunol.7. 165-170 (1992)