1991 Fiscal Year Annual Research Report
歯周疾患の新たな臨床評価法ならびに治療薬の開発に関する試験的研究
Project/Area Number |
02557072
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山本 健二 九州大学, 歯学部, 教授 (40091326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 博 九州大学, 歯学部, 助手 (20155774)
青木 洋祐 国立公衆衛生院, 栄養生化学部, 部長 (80049030)
猪飼 篤 東京工業大学, 理学部, 教授 (50011713)
加藤 伊八 長崎大学, 歯学部, 教授 (30005087)
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Keywords | 歯周疾患 / 臨床評価法 / タンパク分解酵素 / 歯肉溝滲出液 / 歯周組織の破壊 / 顆粒球セリンプロテア-ゼ / カテプシンG / プロテア-ゼ |
Research Abstract |
歯周疾患の主たる病態が歯肉上皮ならびに結合組織などの比較的表層に存在する歯周組織の破壊と、それに引き続いて起こる歯槽骨の破壊であることは周知の事実である。こうした歯周組織の破壊には生体宿主に由来するプロテア-ゼと局所細菌に由来するプロテア-ゼが関与すると考えられている。しかし、病原性プロテア-ゼが一体何なのか、病勢との関係はどうなっているのか、それらの機能はどのような機構で発揮されるのか等、本疾患におけるプロテア-ゼの役割の詳細については殆ど解明されていない。本研究は歯周組織の破壊機構に関与する病原性プロテア-ゼの同定を行い、歯周疾患の病勢に伴う動態からそれらの役割を解明するものである。具体的には、歯周炎患者の歯肉溝から採取した滲出液中に認められるプロテア-ゼ活性の原因物質を酵素学的ならびに免疫生化学的方法によって同定・定量し、病勢に伴う正確な動態を把握する。これらの結果に基づき、各種プロテア-ゼの動態マップを完成し、これを本疾患の活動度や進行度を診断する新たな臨床パラメ-タ-として確立する。本年度の研究から得られた知見は以下のとうりである。 (1)顆粒球から、メダラシンとともに分泌性セリンプロテア-ゼとして重要視されているカテプシンGを分離精製し、これに対する特異抗体を作成した。(2)歯周炎患者より得られた歯肉溝滲出液中の本酵素の動態を免疫定量法と活性測定法の両面から検討した結果、本酵素は活性値としては低い値しか示さないものの、免疫定量法では明確な存在量が示された。また、その量は歯周炎の重症度に比例して増加した。以上の結果から、カテプシンGが歯周炎の程度に応じて炎症局所に放出され、生体の防御ならびに組織破壊機構に関与していることが示唆された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Hideki Sakai: "Synthesis and intracellular distribution of cathepsins E and in differentiating murine Friend erythroleukemia cells." Arch.Biochem.Biophys.(1992)
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[Publications] Tomomi Shindou: "Inhybitory effect of NMDA on dopaminergic transmission in a slice preparation of rat globus pallidus." Japan J.Pharmacol.58. 79-82 (1992)
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[Publications] Tetsuya Goto: "Immunocytochemical lacalization of cathepsin D in the rat osteoclast." Histochemistry. 97. 13-18 (1992)
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[Publications] Takashi Saku: "An innmunocytochemical study on distinit intracellular localization of cathepsin E and Cathepsin D in human gastric cells and various rat cells." J.Biochem.110. 956-964 (1991)
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[Publications] Hiroshi Nakanishi: "Inhibitory effects of NMDA receptor antagonists on hypoxia-induced seizures in dietactry Mg^<2+>-deficient mice." Eur.J.Pharmacol.204. 29-34 (1991)
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[Publications] Kenji Yamamoto: "Biological significance and activity control of cathepsin E compared with cathepsin D." Plenum Press, 297-306 (1991)
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[Publications] Hideki Sakai: "Immunohistochemical and immunocytochemical localization of cathepsin E compared with cathepsin D." Plenum Press, 361-364 (1991)