1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02557081
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
長坂 信夫 広島大学, 歯学部, 教授 (30064827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮迫 隆典 広島大学, 歯学部, 助手 (00229824)
山本 益枝 広島大学, 歯学部, 助手 (40191449)
香西 克之 広島大学, 歯学部附属病院, 講師 (10178212)
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Keywords | 齲蝕予防 / 野菜水抽出エキス / ミュ-タンス連鎖球菌 / グルコミルトランスフェラ-ゼ |
Research Abstract |
今回用いた野菜水抽出エキスの内訳は、ビ-ト、フキ、コ-ンフリ-、西洋ワサビ(葉および根茎)の5種であった。すでに、これらのエキスは全て今までの予備実験で、抗GTase活性を認めたものである。これらを用いて、ラット齲蝕抑制実験を行う予定であったが、必要とする大量の野菜が収穫量と季節の関係上、入手不可能となったため、今年度は現存のエキスを使って詳細なデ-タを得ることを目的とした。まず各エキスを80倍(1.25%)まで希釈(終濃度0.3%)し、抗GTase活性の消長をみた。実験方法は<Streptococcus sobrinus>___ー OMZ176の粗GTase(培養上清を塩析、透析して濃縮した)に、 ^<14>Cースクロ-ス、リン酸緩衝液(pH6.0)、デキストランT10(primerとして)および各野菜水抽出エキスを加え、1時間37℃で反応させた後、ペ-パ-クロマトグラフィを行って、生成した放射性の不溶性グルカン量を測定した。その結果、濃度依存性を示したものは、フキ、ビ-ト、西洋ワサビ(根茎)であり、そのうち酵素阻害効果の最も高かったのは、フキであった(0.6%濃度:32%、0.3%濃度:11%)。一方、mutans菌に対する抗菌作用を<Str.mutans>___ー MT8148を用いて調べた結果、コ-ンフリ-のみが唯一、抗菌性を示した(MIC:0.23%)。その他新たに入手した、ナナカマド、ルバ-ブ(茎葉、根)の水抽出エキスについて、同様の実験を行ったところ、いずれも抗菌作用は示さないものの、抗GTase作用に関しては、ナナカマド250mg/ml、ルバ-ブ茎葉625mg/ml,ルバ-ブ根420mg/mlで完全に近い効果を示した。今後、さらに検討を加えたいと考えている。また、ビ-トには抗齲蝕作用物質として我々が研究を進めているオレアノ-ル酸も含まれており、本物質に関しては、現在ラット齲蝕抑制実験を行っている。
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