1990 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトcDNAバンクの全カタログ化をめざした新しいベクタ-システムの開発と応用
Project/Area Number |
02557098
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野島 博 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (30156195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 浩明 東洋紡績, 敦賀酵素工場, 研究員
小野 泰子 大阪大学, 微生物病研究所, 文部技官 (70194602)
岡崎 孝映 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (70213923)
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Keywords | コンピタントセル / cDNAライブラリ- / mRNA / pcD2系 / OkayamaーBerg法 / f1 ori / T7プロモ-タ- / マルチクロ-ニングサイト |
Research Abstract |
本年度に達成した実績は以下の2点である。 1.大腸菌コンピタントセルの高効率化 我々の目的の一つに高品貭なcDNAライブラリ-の作製法を更に高度化することがあげられる。高品貭の条件にはフルレングス(全長)cDNAが大半を占め、空(ベクタ-のみ)の少いことの他に,インディペンダントなコロニ-が多いことがあげられる。その際、ライブラリ-作製に用いるmRNAは少ければ少い程良い。ヒト細胞には20万個のmRNA分子が存在すると言われているので安全を見越して,100万cfuのコロニ-サイズを持つcDNAライブラリ-をlng mRNAを出発点として達成するのが当初の目的であった。この目的達成のためには高効率なコンピタントセル作製が必須であり、従来の方法では困難であった。今回我々が開発に成功した方法1)によればlng mRNAあたり数百〜千万cfuのコロニ-サイズを持つcDNAライブラリ-作製が日常的に可能になる。これは此迄最高といわれたHanahan法より数倍も高効率なものである。 2.pcD3系ベクタ-の作製 ヒトcDNAバンクのカタログ化の目的にはpcD2系(OkayamaーBerg法)は不便な所もあるので、これを幾つか改良したpcD3系ベクタ-を作製した。主な改善点は以下のようである。(1)SSDNAが作れるように、両方の向きにf1 oriを挿入したものを各々作製したこと。(2)T7プロモ-タ-を導入し、cRNA化を可能にしたこと。(3)高等効物細胞では稀にしか切断しないと考えられている制限酵素サイトを18ケ所も持つ約120bpからなるマルチクロ-ニングサイトを導入したこと。(4)プラスミドDNA量を増加させるため,pBP322系よりpUC系に変えたこと。これらの改善よにり特に発現型差cDNAライブラリ-の作製が可能になった点が将来の有用性から見て期待されるものと信じている。
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[Publications] Inoue,H.,Nojima,H.and Okayam,H.: "Hifh efficiency transformation of <Escherichia>___ー <coli>___ー with plasmid." Gene. 96. 23-28 (1990)