1992 Fiscal Year Annual Research Report
タキキニン拮抗作用による鎮痛・抗アレルギー薬開発の基礎的研究
Project/Area Number |
02557101
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Research Institution | Tokyo Medical & Dental University |
Principal Investigator |
大塚 正徳 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (60013801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺尾 秦次 武田薬品工業, 創薬研究本部, 部長
鈴木 秀典 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (30221328)
吉岡 耕一 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (00143579)
柳澤 光彦 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (90159252)
斎藤 公司 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (20002082)
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Keywords | タキキニン受容体 / タキキニン拮抗薬 / 分子モデリング / サブスタンスP / IM-9細胞 / ニューロキニンA / PCR / 摘出脊髄標本 |
Research Abstract |
タキキニン受容体に対するアンタゴニストの構造をコンピュータを用いた分子モデリング法で解析し、これを基に非ペプチド性タキキニン受容体拮抗薬を分子設計し合成した。スクリーニングの第一段階として、ラット前脳を用いたラジオレセプターアッセイ法で、タキキニン受容体に対する親和性の検討を行なった。さらに本年度からはヒトNK-1受容体を発現している細胞株であるIM-9を用いたラジオレセプターアッセイも加えて検討した。これらのスクリーニングから得られた親和性の高い化合物をモルモット腸管(NK-1)、ラット輸精管(NK-2)、ラット門脈(NK-3)を用いて、タキキニン拮抗作用を検討した。これらの結果を基に有望な化合物を新生ラット摘出脊髄を用いた第二段階のスクリーニングを行なった。いくつかの化合物はIM-9細胞で高親和性を示し、サブスタンスPによるモルモット腸管収縮を抑制した。しかしテトロドトキシン存在下において、サブスタンスPを適用したときに起きるラット脊髄前根の脱分極にはいずれの化合物も効果がなかった。以上のように現在の時点では、脊髄タキキニン受容体に対する特異性の高いアンタゴニストは見つかっていない。この理由の一つとして、中枢に存在するタキキニン受容体が、未梢組織の受容体と異なる可能性がある。そこでpolymerase chain reaction(PCR)を用いて検討したところ、新生ラっト脊髄内にNK-1及びNK-3受容体のフラグメントは存在するがNK-2受容体はほとんど存在しないことが示唆された。この結果は、ラット脊髄ではニューロキニンAはサブスタンスPとほぼ同じ効力で脱分極を起こすことと矛盾し、中枢特異的な受容体の存在を示唆している。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Ishizuki M.and Yanagisawa M.: "Antinociceptive effects of tizanidine,diazepam and eperisone in isolated spinal cord-tail preparations of newborn rat." Pain. 48. 101-106 (1992)
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[Publications] Saito K.et al.: "Sensitivity of cultured and skinned chick myotube to calcium,strontium,and barium ions examined by recording isometric contractions." J.Cell.Physiol.150. 45-51 (1992)
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[Publications] Yanagisawa M.et al.: "The isolated spinal cord-skin preparation of the newborn rat and effects of some algogenic and analgesic substances." Eur.J.Pharmacol.220. 111-117 (1992)
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[Publications] Yanagisawa M.et al.: "Enzymatic inactivation of tachykinin neurotransmitters in the isolated spinal cord of the newborn rat." Neurosci.Res.15. 289-292 (1992)
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[Publications] Yomono H.S.et al.: "Serotonergic fibers induce a long-lasting inhibition of monosynaptic reflex in the neonatal rat spinal cord." Neuroscience. 47. 521-531 (1992)
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[Publications] Yanagisawa M.et al.: "Inhibitory effects of human,porcine and rat galanin examined in the isolated spinal cord of the newborn rat." Biomed.Res.(in press).
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[Publications] Otsuka M.et al.: "Physiological characterization of tachykinin receptor subtypes in the spinal cord of the newborn rat.In Tachykinin Receptors" Humana Press, (1993)