文献の論理構造に基づく全文データベース検索システムの開発研究

1992 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 02558007
• Research Institution: National Center for Science Information Systems (NACSIS)
• Principal Investigator: 猪瀬 博 学術情報センター, 所長 (70010618)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 鳥居 俊一 日立製作所(株), システム開発研究所, 主任研究員 ; 芝野 耕司 東京国際大学, 商学部, 助教授 (50216024) ; 原 正一郎 国文学研究資料館, 研究情報部, 助教授 (50218616) ; 宮澤 彰 学術情報センター, 研究開発部, 教授 (80099928) ; 根岸 正光 学術情報センター, 研究開発部, 教授 (90114602)
• Keywords: 全文データベース / SGML / 情報検索システム / DQL / SQL / 学術情報システム / ユーザインタフェース / 文書構造

Research Abstract

本研究は、文書・文献の全文を収容する「全文データベース」について、それらの文献の論理構造に即した検索を可能とするようなシステムを研究・開発しようとするものである。研究計画の第3年度に当たり、本年度は下記の項目について、研究および開発を行なった。
1.昨年度から継続し、文献の文書構造を図形的に表示し、この上で構造に即した検索条件・表示指示を行なえるようなユーザ系のソフトウェアを、ワークステーション上のグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を用いて完成させた。
2.昨年度から継続し、関係データベース管理システム上で文書構造を各構成要素間の二項関係で表現し、文書構造に即した検索要求を処理するサーバ系のソフトウエアを汎用大型計算機上に完成させた。
3.昨年度の検討に基づき、LANおよび広域網を通信路に用いてサーバ系とユーザ系の接続を行ない、連動試験を行なって動作を確認した。
4.昨年度までの研究過程で構築してきたシステム環境を充実させ、ユーザ系の図形的対話処理機能を通して全文データベースの検索を行なうことにより、全体的な処理性能、使い心地、検索精度などについて評価を行ない、実用に向けての課題と解決方式を検討した。
現在のシステムにはサーバ系の性能に改善の必要性が認められ、検討の結果、二項関係に参照先のレコードIDを含めることが有効であることがわかったので、今後これを実現することが課題となる。また、ユーザ系においては指定した検索要求をよりわかりやすく表示する必要があることが明かとなり、孝案したいくつかの方式について実験により検討することが課題となる。以上の結果、本システムの設計概念、および実現方式の妥当性が確認でき、課題への対処の方針も示すことができたことにより、実用化の可能性が示された。

Research Products

• [Publications] 根岸 正光: "SGMLによる論文誌の試作ー全文データベースの構築と応用" 情報処理学会テクニカルコミュニケーション研究グループ報告. 92-TCG-2-4. 1-12 (1992)
• [Publications] 根岸 正光: "フルテキスト・データベースの応用動向" 情報処理. 33-4. 413-420 (1992)
• [Publications] 芝野 耕司: "フルテキストマルチメディアデータベース" 日本規格協会情報技術標準化センター技術報告. (1992)
• [Publications] 芝野 耕司: "大量文書処理におけるSGMLの有効性" 情報処理学会テクニカルコミュニケーションシンポジウム. (1992)
• [Publications] 芝野 耕司: "SQL言語のオブジェクト指向及びマルチメディア拡張" 電子情報通信学会データ工学研究会. (1992)