1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02558008
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
笠井 憲雪 北海道大学, 医学部, 助教授 (60001947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 匡 北海道大学, 獣医学部, 助手 (30220338)
平林 真澄 雪印乳業生物科学研究所, 研究員
葛西 孫三郎 高知大学, 農学部, 助教授 (60152617)
三好 一郎 北海道大学, 医学部, 助手 (10183972)
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Keywords | マウス受精卵 / 低温保存法 / 受精卵輸送 / 受精卵移植 / 偽妊娠雌マウス / ガラス化法 |
Research Abstract |
実験小動物(マウス、ラット)の受精卵の保存と輸送についての簡便な方法の確立し、実際の輸送における国内の輸送状況を検討し、施設や研究機関の授受を用意にする事を目的とした。葛西らが開発したマウス受精卵をショ糖の溶液に入れ、氷水中(0℃)に保存する「低温保存法」を応用した。すなわち低温保存後の胚を偽妊娠雌マウスに移植し、この方法の有効性を確かめた。まず実験室で48時間保存後、培養により胚盤胞までの発生率でみると79.9%であったが、偽妊娠雌に移植した時の仔マウスの生誕率は32.8%であった。つぎに魔法瓶中では氷水は48時間以上保てることを確認した後、受精卵を魔法瓶中に低温保存した。そして宅配便にて48時間以内に高知から札幌まで輸送後、同様に移植した。この時の培養による胚盤胞への発生率は71.6%であり、移植後の仔マウスの生誕率は15.1%であった。この方法は輸送方法に改良の余地があるが、マウス受精卵輸送の実用的な方法として使用し得ることが示された。また実際の輸送は行っていないが、72時間保存も実用に使用できる可能性があり、今後さらに検討する。また今後はマウスおよびラット受精卵のVitrification法(ガラス化法)による急速凍結ほうの確立をめざし、さらにこの方法で保存した後、低温保存法及び液体窒素法にて輸送する方法も検討する。
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Research Products
(1 results)