1991 Fiscal Year Annual Research Report
SPFマウス・ラットの腸内菌叢の標準化とその保存法・モニタリング法の開発
Project/Area Number |
02558009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
光岡 知足 東京大学, 農学部, 名誉教授 (30157549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前島 一淑 慶応義塾大学, 医学部, 教授 (70051464)
後藤 直彰 東京大学, 農学部, 教授 (70011989)
平山 和宏 東京大学, 農学部, 助手 (60208858)
伊藤 喜久治 東京大学, 農学部, 助教授 (50100045)
高橋 英司 東京大学, 農学部, 教授 (50183439)
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Keywords | SPFマウス / SPFラット / ノトバイオ-ト / 腸内フロ-ラ |
Research Abstract |
本年度はSPFラット作出のための種親とするノトバイオ-トラットの作出を行なった。まず,ラット固有の感染症の病原体がfreeである通常環境のラットを選別し,そのコロニ-の腸内フロ-ラを検索して正常であることを確認した。このコロニ-のラットの盲腸内容物をクロロホルム処理した後,嫌気的に希釈して,あらかじめ大腸菌を投与された無菌ラットに投与して,クロストリジウムフロ-ララット(C-ラット)を作出した。このラットは,アンピシリン投与でClostridium difficileの誘発を行ない、陰性であることを確認した。Bacteroidesは上記通常ラットの盲腸より嫌気性グロ-ブボックスを用いて188株を分離し,その中から28株を選拓して,あらかじめ大腸菌を投与された無菌ラットに投与して,Bacteroidesフロ-ララット(B-ラット)を作出した。Lactobacillusは上記通常ラットの胃,盲腸より97株分離し,生物性状で同定した結果,L.acidophilus,L.murinusが主な構成菌種であることが判明した。このうちL.acidophilus2株とL.murinus2株を基準株として選別した(L-菌株)。 ノトバイオ-トラットの作出は,CラットとBラットを1つのアインレ-タ-に同居させ,同居時にL-菌株を投与した。このようにして作出したノトバイオ-トラットは,アイソレ-タ-内で維持されているが,腸内フロ-ラ構成は使用菌群が予測どおり定着し安定しており,盲腸サイズもやや通常のものと比べて大きいが,正常の範囲に含まれている。緑膿菌への定着阻止試験では,10^4コの緑膿菌の経口投与に対しては排除能を有しており,SPFラットの種親となりえる。アイソレ-タ-で繁殖したものをバリヤ-施設に移動させて,SPFコロニ-を作出し,腸内フロ-ラと病原微生物のモニタリングを行なう予定である。
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Research Products
(2 results)