1991 Fiscal Year Annual Research Report
広域エネルギ-中性子場用新ドシメトリ-・システムの開発
Project/Area Number |
02558024
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
神田 幸則 九州大学, 総合理工学研究科, 教授 (40016845)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鷹尾 良行 九州大学, 総合理工学研究科, 助手 (60206711)
|
Keywords | 中性子ドシメトリ- / 中性子束 / ヘリウム生成断面積 / ヘリウム集積法 |
Research Abstract |
本研究の目的は、従来中性子ドシメトリ-の中心であった放射化法の欠点を補う可能性が大きなHe集積法の適用範囲を、高エネルギ-中性子場まで拡張することである。本年度明らかにした点は、次の如き内容である。 高エネルギ-中性子によって発生させられた高エネルギ-α粒子がドシメ-タ試料中に留らない場合の取扱いを検討した。α粒子の飛程を考慮した或る大さの中性子照射試料中よりドシメ-タ試料を切出せば良いことを計算で確認した。ドシメ-タ用物質としては、鉄および鉛のHe生成断面積の評価デ-タはある。ただし、精度の保証が余り無いし、それ以外の元素についてはデ-タそれ自身が存在しないことが明らかになった。いずれも計算によって用意せざるを得ない。 He原子測定装置の改善が進展した。超高真空装置としての性能を再現性良く操作するための手順を相当程度確立した。He数の絶対値較正用標準Heの作製法を改善し、試料中含有He数にして10^9個相当の標準が可能となった。従来は10^<12>個程度であった。集積He放出のために、ドシメ-タ試料を加熱溶融させた際に放出されるバックグラウンド・ガスの低減がHe数測定下限を決定している。試料加熱を避けつつ、予備加熱によってガス放出をさせること、および、試料周辺の補助装置表面積の削減が課題である。種々のテストを基に改良した。直接の測定量はHeイオン電流で、ノイズ対策により電流バックグラウンドを1桁低くした。 14MeV附近のAlに対するHe生成断面積のエネルギ-変化を測定した。この結果を用いて(n,n′α)断面積を求めた。これは放射化法では測定出来なく、新しいデ-タである。α粒子放出反応断面積は計算では精度が悪く、この結果は断面積計算法の改善に資するもので、ドシメトリ-のデ-タベ-ス作成に有効である。
|