1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02559002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
堀 浩 北海道大学, 理学部, 教授 (40000814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 麿仁 北海道大学, 理学部, 助手 (40210687)
吉田 廸弘 北海道大学, 理学部, 教授 (60001765)
白浜 晴久 北海道大学, 理学部, 教授 (00000802)
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Keywords | 核酸検出法 / 非RI / 蛍光基質 |
Research Abstract |
前年度の研究によってナイロンメンブレン上での微量核酸の検出にはナフト-ル誘導体が有用であることが示された。そこで本年度はナフト-ル誘導体の合成を重点的に行ない最終的に46種の化合物について検討を加えた。また,ナフタレン環が2つ連結した構造をもち,比蛍光強度がFITCより十倍以上高いことで知られるペリレンの誘導体についても7種合成し核酸検出に用いたが,主として標識に用いた酵素との反応性の問題から微量核酸の検出には適さないことが分かった。しかしペリレン誘導体については今後,酵素反応性を向上させる様な化学修飾を行なうことにより適用可能と考えられる。ナフト-ル誘導体46種の中では,3-Hydroxy-N-2-b:phenylyl-2-naphthalenecarboxamide(HNPP)が最も高い検出能を示した。このHNPPについて検出条件の最適化を目的としてナイロンメンブレン上での蛍光特性を調べたところ,蛍光波長と蛍光強度はpHの影響を強く受けることが分かった。ナイロンメンブレン上では高いpH域(pH13以上)で蛍光強度が約2倍となり,蛍光ピ-クは長波長側(490nm)に現われる。そのために短波長域に存在するUV励起光源の反射光・散乱光やナイロンメンブレンそれ自体による蛍光ノイズの影響が少なく,高いSIN比を得ることができた。これらのデ-タをふまえ,検出における光学系を最適化したところスポットテストで10fgを検出できた(この感度は既存法の最高感度である)。また,サザンハイブリダイゼ-ションでは70fgのバンドが検出できた。さらに高等真核生物のDNAを用いたゲノミックサザン法においても1μg以下という微量核酸中で単一コピ-遺伝子を検出することに成功し,リプロ-ブも可能であった。
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