1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02559008
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松井 正顯 名古屋大学, 工学部, 教授 (90013531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 達也 小牧市民病院, 副院長 (10093030)
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Keywords | 組織内加温 / 温熱療法 / 磁気発熱材料 / Fe-Pt合金 / フェライト / ガラスコ-ティング / 渦電流損 / ヒステレシス損 |
Research Abstract |
当該年度の研究成果は次の様にまとめられる。まず、材料開発では、(1)Fe-Ptインプラント合金の耐食性は医療用ステンンレスの約2倍程度良い。(2)合金は生理食塩水中及び生体中では非常に少量ではあるがFeまたはPtの溶け出しが起こる。(3)溶け出し防止のため、酸性溶液と有機シランの混合液中に合金を浸して、適当な熱処理を行なうとかなりの強度を持ったSiO_2で被覆できるというコ-ティング法を開発した(平成3年10月ハイパ-サ-ミア学会発表)。これは合金の生体適合性に関する画期的成果である。(4)微粉末のフェライト系インプラント材料では生体適合性を持つ元素のみで作製できる。MgFe_2O_4とCaFe_4O_7の固溶体を作製し、ヒステレシス損で発熱する新材料を開発した(キュ-リ-温度は300〜400℃)(平成3年10月ハイパ-サ-ミア学会発表)などが挙げられる。次に医療用システムでは、我々はすでにインプラントヒ-ティングシステム(IHS)として発表しているが、その場合空心コイルからの電磁波の生体に及ぼす影響を取り除く必要があるので、(1)フェライトコアの高周波磁場発生装置を作製することを試みた。市販されているコア材料では高周波損失が非常に大きく、コア自身が高温になるために人体安全上問題があることが判り、空心コイルの電界による人体への悪影響を避ける方法を検討する必要があることが判った。(2)インプラント周辺の温度分布の計算機グラフィックスのプログラムを開発し、2次元のグラフィックスができるようになった。最後に臨床応用であるが、すでに合金針の脳腫瘍、舌癌の治療への応用は学会誌等で発表しており、非常に治療効果が上がっている。(脳腫瘍40%、舌癌70%、平成3年10月16日付けの読売新聞で報道)。今後、コ-ティング針と現在開発中のフェライト材料を使った臨床基礎実験を行なっていく。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T.Kobayashi: "Interstitial Heating of Tumor Tissue by Implant Heating System(IHS)" Hyperthermic Oncology in Japan '90. 71-74 (1991)
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[Publications] I.Tohnai: "The Histopathological Effects of Hyperthermo-Chemotherapy Using Implant Heating System for-Oral Cancer" Hyperthermic Oncology in Japan '90. 99-100 (1991)
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[Publications] K.Mitsudo: "Development of a Platinel Thermocouple Using Implant Heating System(IHS)" Hyperthermic Oncology in Japan '90. 223-224 (1991)
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[Publications] M.Matsui: "Heat Generation of the Powder Magnetic Implant Materials" Hyperthermic Oncology in Japan '90. 243-244 (1991)
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[Publications] T.Kobayashi: "Interstitial Hyperthermia of Brain Tumors Using Induction Heating of Ferromagnetic Implants with Low Curie Temperature" PIERS 1991 Proceedings. 198- (1991)