1990 Fiscal Year Annual Research Report
新生児・乳児における随意・不随意眼球運動の発達と図地の知覚的分凝の研究
Project/Area Number |
02610037
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
下條 信輔 東京大学, 教養学部, 助教授 (70183837)
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Keywords | 乳児 / 視覚発達 / 眼球運動 / 視知覚 / 立体視 / 運動視 |
Research Abstract |
本年度(平成2年度)には、(1)眼球運動測定・視覚刺激呈示装置の装置面と、(2)健常成人での基礎観察・実験の両面で、当初の計画通りの進展があった。さらにその過程での予定外だが重要な副産物として、(3)視覚的注意のシフトに関する新しい知見があった。以下に順を追って述べる。 (1)眼球運動測定・視覚刺激呈示用装置ー前者については、EOG用電極・アンプ・記録用機器一式がすでに作動状態にあり(日本光電製)、さらにサッケ-ド眼球運動の反応潜時を測定する目的のための、NECPCとのインタ-フェ-スが、ソフト・ハ-ドともにほぼ実用化の段階にある。視覚刺激呈示装置については、COMMODORE社AMIGA2000・3000両機種と液晶同期めがねを用い、(ワイヤレス化が遅れている点を除いて)3次元運動パタン呈示用としてすでに作動状態にあり、次項に述べるような実験成果を蓄積しつつある。 (2)健常成人での基礎観察・実験ー以前の心理物理学的研究から引き続いて、立体視や運動視、表面の知覚などにおける単眼・両眼過程の相互作用について、新しい発見があり、学会発表の予定である。さらに、本研究に主テ-マに直接関連する「図地分凝ー仮現運動ー反転ディスプレイ」についても、これを最適化し、成人での現象学的観察によって裏付けるとともに、両眼視差などの3次元手掛りが決定的役割を持つ事実を新たに見出し、新生児・乳児研究への応用の幅を広げた。さらに少数だが6カ月児による予備実験で、実現可能との感触を得た。 (3)視覚的注意のシフトに関する新知見ー視覚的注意のシフトにより、事象の生起感覚が主観的に生じたりする新現象を見出し、現在精密な心理物理実験により追究中である(生理学研究所・彦坂研究室との共同研究)。新生児・乳児への応用を期待できる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] S.Shimojo & K.Nakayama: "Amodal representation of occluded surface:role of invisible stimuli in apparent motion correspondence." Perception. 19. 285-299 (1990)
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[Publications] K.Nakayama & S.Shimojo: "Da Vinci Stereopsis:Depth and subjective occluding contours from unpaired image points." Vision Research. 30. 1811-1825 (1990)
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[Publications] K.Nakayama,S.Shimojo & V.S.Ramachandran: "Transparency:Relation to depth,subjective contours,and neon color spreading." Perception.
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[Publications] H.Takeichi,T.Watanabe & S.Shimojo: "Illusory occluding contours and surface formation by depth propagation." Perception.
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[Publications] K.Nakayama & S.Shimojo (Eds): "The Brain"