1990 Fiscal Year Annual Research Report
認知的処理課題における注意資源配分量の恒常性について
Project/Area Number |
02610042
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
中村 章人 信州大学, 人文学部, 教授 (80020527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨士原 光洋 日本女子大学, 計算研究所, 研究員 (80209080)
行場 次朗 信州大学, 人文学部, 助教授 (50142899)
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Keywords | 注意 / 反応時間 / 認知 |
Research Abstract |
目的:視野内に向けられる人間の注意資源配分の方向と匂配を実験操作的に変化することにより、注意資源の配分方策が異なっても、注意資源量に恒常性が見られるか否かについて検証を試みた。 実験1:光点の検出課題。表示画面上の種々の位置に提示される光点に対する検出反応時間を測定する。刺激の提示位置は、画面中央(凝視点)の上下左右4方向とし,各方向につき2点,計8点を設定する。次の刺激条件を設定する。(1)、常に画面の中央に提示(2)画面中央より1方向(3)画面中央を挾んで反対側2方向に提示。2方向への提示確率が50%ー50%,80%ー20%の条件を設定する。(4).上下左右の4方向いずれかに提示。水平方向と垂直方向への提示確率が50%ー50%,80%ー20%の条件を設定する。刺激提示1箇所につき各被験者ごとに32回の反応時間を測定し、その平均値を求める。 実験2:文字の同定課題。実験1と同様の条件のもとで,「A」または「B」の文字を提示し,文字の同定発声反応時間を測定する。文字の提示位置および提示確率は実験1と同じ。実験1,2ともに被験者は大学生10名。うち1名の結果は不適当につき除く。 結果:実験1,2ともに次の結果が得られた。(1)刺激提示条件が画面中央,1方向,2方向と変化するにつれ,反応時間は直線的に上昇する。(2)2方向から4方向へ増した場合,反応時間の上昇が約半数の被験者において見られた。(3)刺激の位置によって提示確率を方化させた結果,提示確率が高い位置における反応時間が他より短かくなる傾向が半数以上の被験者において認められた。 以上の結果から,視野内における人間の注意資源総量の恒常性が,すべての被験者においてではないが,認められることが示された。
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Research Products
(1 results)