1991 Fiscal Year Annual Research Report
教師の適性診断システムの確立とその適用に関する実証的研究
Project/Area Number |
02610046
|
Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
中野 靖彦 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (50024104)
|
Keywords | 教師の指導法 / 教師適性 / 学級の雰囲気 / スク-ルモラ-ル / クラスサイズ |
Research Abstract |
本研究は、教師としての適性について、総合的に診断するシステムを構築し、毎日の授業における授業の仕方、学級運営に役立てることを目的とした。まず、初年度においては、現場の教師を対象として、教師の指導法について多面的に調査し分析した。それに続いて、その担任の教師とそのクラスの生徒の双方に調査を実施した。そして、教師と生徒の認知のズレが教師の指導法や生徒の学習面やクラスのスク-ルモラ-ルにどのような影響を及ぼしているか社会心理学的な側面を入れながら解析した。 担任の教師とそのクラスの生徒を対象として、教師には、指導観と実際の指導法について、生徒には、日頃の教師の指導法と望ましい教師の指導法という側面、およびクラスのスク-ルモラ-ルについての調査を実施した。そして、まず第1に、教師の自分の授業に対する認識と生徒の教師の指導法に対する認知にどのようなズレがあるか解析した。その結果、生徒の自主性や生徒参加という、従来の一斉指導形態にそぐわない面での教師と生徒のズレが大きいことなどが明らかとなった。第2に、従来、教師の指導法と生徒の認知という、いわば教育心理学的な側面からの分析が主流であったが、今回、社会心理学的な視点を導入し、学級の雰囲気、スク-ルモラ-ルなどが教師の指導法によってどう違うか検討した。そして、学級の雰囲気が教師の指導法によってかなり異なること、生徒が主体的に学習することがいかにクラスの雰囲気を盛り上げているかが明らかとなった。第3に、クラスの生徒数の多少(クラスサイズ)と教師の指導法、学級の状況との関連性について分析した。 これらの調査結果は、大学の研究報告にまとめつつある。さらに、教師の適性について、即座に診断できるようなシステムを考え、実際の教育現場に適用できるようにする。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 中野 靖彦,他: "児童生徒による教師行動の認知及び学業成績が教師期待認知に及ぼす影響" 愛知教育大学研究報告. 41輯. 95-109 (1992)
-
[Publications] 中野 靖彦: "教師の指導行動とクラスのスク-ルモラ-ルに関する研究" 愛知教育大学教科教育センタ-研究報告. 16号. (1992)
-
[Publications] 中野 靖彦: "教師の適性診断とその適用に関する研究" 愛知教育大学研究報告. 42輯. (1993)
-
[Publications] 中野 靖彦: "教師の指導行動とクラスサイズの問題" 愛知教育大学教科教育センタ-研究報告. 17号. (1993)