1990 Fiscal Year Annual Research Report
神経心理学的パフォ-マンス・テストによる利き脳の課題別分類とその妥当性の検討
Project/Area Number |
02610047
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
坂野 登 京都大学, 教育学部, 教授 (80025105)
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Keywords | 神経心理学 / 前頭葉 / ラテラソティ / テスト・バッテリ- / 言語性テスト / 非言語性テスト |
Research Abstract |
本研究では、従来の神経心理学テスト・バッテリ-が主として個人検査であり、また実施に当たってはそのテストの構成上、煩新な手続きを必要とするという反省に立ち、より簡潔で精巧な集団式テストを開発することにその主眼が置かれている。より簡潔な検査という点からは、一つの検査でもって言語性と非言語性のパフォ-マンス能力を見ることを可能にすることが求められようし、また集団検査として用いることが可能となるような検査を作成することが求められていた。 「テスト・バッテリ-分作成」:言語性と非言語性のテストを同時に行うために、線画の中にひらがな一文字を入れ、両者がほぼ同じ割合で知覚されるように作成された絵・文字図形を、3から7系列横に配列し、文字の配列および絵の配列を記憶するように求めた。一定の記憶時間の後に、被験者は次のペ-ジに示された絵と文字の新しい組み合せが、それぞれ何番目の位置にあったかを答えるように求められた。問題の部分は1ペ-ジに5問、全部で10ペ-ジ、合計50問あり、順序効果を検討するために冊子AとBの2種類を用意した。被験者は最初から上段の問題を1から10問まで行った後、再び初めのペ-ジに戻り、2段目の問題を行った。「現在までの成果」に提示時間と解答時間を設定するための予備調査が終わり、その後約50名の対象者についての集団検査を終了した。その結果前頭葉機能を反映すると考えることが可能な、潜在的ラテラソティの指標との間に有意な関係を見出すことができ、このテストの有効性を示唆するような結果を得た。また脳電図トポグラフィ-を用いた研究も同時に進行中であるが、眼休運動が混入していて、当初予測したような明確な結果は得られていない。次年度は特に、集団検査での対象者を増やし、より明確な結論を得ることに重点を置いて行きたい。
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