1990 Fiscal Year Annual Research Report
幼児・児童の課題解決過程の個人差及びカリキュラム開発に関する発達心理学的実践研究
Project/Area Number |
02610056
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山崎 晃 広島大学, 教育学部・附属幼年教育研究施設, 助教 (40106761)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜崎 隆司 広島大学, 教育学部・附属幼年教育研究施設, 助手 (20218530)
祐宗 省三 広島大学, 教育学部・附属幼年教育研究施設, 教授 (50033543)
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Keywords | 認知スタイル / 衝動型ー熟慮型 / 場依存型ー場独立型 / 保育カリキュラム / 幼児 / ストル-プ / 課題解決の方略 |
Research Abstract |
1.衝動型ー熟慮型認知スタイルと呼ばれる個人差が幼児においても存在するかどうかを検討するために、MFFT課題を実施した。その結果、4歳児(年中児)においても衝動型ー熟慮型次元の認知スタイルが存在し、同時にケ-ガンのMFF課題が認知スタイル測定課題として使用できることを示した。 さらに、場依存型ー場独立型認知スタイルを測定するために音声ストル-プ課題を実施した。その結果、5歳児(年長児)においても、場依存的行動傾向の強い幼児と場独立的傾向の強い幼児が存在し、音声言語が線画の命名を干渉したり、促進することが明らかになった。がみられた。このように音声ストル-プ課題を使うことによって、体系的文字教育を受ける前の幼児についても、場依存型ー場独立型認知スタイルを測定できることを示した。また、幼児のこの課題に対する反応の特徴は、成人が音声言語による影響(干渉や促進)を比較的受けにくいのに対して、影響を大きく受けることであった。 2.保育場面での幼児の行動評定のための基礎的観察を5月に行なった。それを基にあ遊びの形態、相互作用の相手およびその幼児のスタイル、行動内容(提案、要求、主張、非難、命令など)について、6月からほぼ1ヵ月毎の観察を行なっている。その中でも、特に、友達との友達とのかかわりの少ない幼児について、前述の変数と認知スタイルや社会的地位との関連が見られるかどうかについて検討し、カリキュラムを考えるための資料を得ている。
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Research Products
(1 results)